国会議員となった「ガーシー」を日本の捜査当局は放置できるのか

積み重なる誤算

見せしめ逮捕は現実ではない

参議院議員となった「ガーシー」こと東谷義和氏(50歳)は、8月3日招集の臨時国会に登院しなかった。批判されるのは承知ながら、従前からYouTubeなどで、「逮捕の危険性と襲撃の可能性」を口にしていた。また、所属するNHK党の立花孝志党首もその気持ちを尊重して、臨時国会の欠席届を参議院に提出した。

それにしても国会議員が逮捕を恐れて登院しないのは前代未聞。というより、そう公言して選挙活動を海外からSNSで行った候補者が当選してしまうのも前代未聞だし、選挙の在り方と有権者の意識が完全に変わったことを証明するものだろう。

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東谷氏は、YouTuberとしての才能に恵まれた人である。頭の回転の速さが関西弁でのしゃべくりのテンポと重なって、リズミカルに視聴者を刺激する。

尊敬するという島田紳助氏に重なる存在感だが、視聴者を繋ぎ止めるために、紳助氏より刺激的にならざるを得ず、その悪意に満ちた舌鋒の鋭さが人気を呼び、東谷氏がNHK党から立候補を宣言すると、「ガーシーを国会議員へ」という声がSNS上で盛り上がり、当選に至った。

東谷氏が危惧するように、捜査当局が「行き過ぎた暴露系YouTuber」を狙っていたのは確かである。警視庁捜査関係者が率直にいう。

「ガーシーchの開局が今年2月。2カ月で登録会員が100万人を突破するなど人気を集めたが、その内容は芸能人らを誹謗中傷するもので、名誉毀損、威力業務妨害、偽計業務妨害などを疑えるものだった。実際、芸能プロダクションなどから相談もあった。

さらに、韓国の人気アイドルBTSに会わせるという名目で詐欺を働き、被害者がその相談に訪れていた。SNSの行き過ぎを正す格好の事例と思われた」

しかし参院選出馬もさることながら当選は誤算だった。「ガーシー狙い」の思惑は狂った。東谷氏は約29万票を獲得、NHK党は比例代表で得票率2%以上を得て政党要件を満たした。公党の国会議員を“狙って”捜査し、見せしめで逮捕するのは現実的ではない。

 

東谷氏の人気の秘訣は「隠さないこと」だった。綾野剛、新田真剣佑、城田優などのスキャンダルを速射砲のような語り口で暴露するのだが、新田から6000万円の借金をしていること、BTS詐欺が事実でその総額が4000万円であることを明かす。

そこまで追い込まれたのは、闇カジノなど違法賭博にハマって3億円以上の借金を抱えたためだという。ドバイに逃げたのも借金が理由だ。そのうえで、「俺はワル。ワルにはワルの生き方と戦い方がある」といい放つ。

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