うだるような厳しい暑さが続く中、アイスを求めるのは大人も子どもも同じ。そして子どもの頃から慣れ親しんだ数あるアイスの中でも、時代のニーズを捉え、常に進化を遂げているのが江崎グリコのロングセラー商品「パピコ」。

パピコの特徴といえば、2本1組のブローボトル容器。友人や家族と分け合って食べる喜びや楽しさの共有はもちろん、独り占めしたい気持ちをぐっと堪え、朗らかな人間関係に一役買う“おすそ分け精神”をも育んでくれる。

同社は「大切な人とパピコを分け合う日」として、「わたしとあなた」2人でパピコを分け合い、前向きで明るい気持ちも分け合って欲しいとの願いをこめて、パピ(8)コ(5)の商品名にちなんで、8月5日を「パピコの日」と制定。その誕生について、江崎グリコのアイスクリームマーケティング部・黒川大樹さんに開発の背景やこだわりなどを伺った。

取材・文/長嶺葉月

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“ぱぴぷぺぽ”が入った商品はヒットする⁉

パピコが誕生したのは1974年。現在の人気フレーバー<ホワイトサワー>の原型となる<乳酸ミルク>を発売。パピコの名前の由来について伺うと「諸説ありますが」と前置きして、こう続ける。

「まず一つは、主力商品であるお菓子には“ぱぴぷぺぽ”が入った名前の商品がヒットする、というジンクスがあったこと。例えば、ポッキーやプリッツ、カプリコなどです。あわせて、パピコの語感のリズムがよく、子どもにも覚えやすくて発音しやすいといった理由から名付けられたと言われています。

実は、企画を検討している段階では1本のブローボトル容器で進められていたそうです。現在のように2本で1組の形状で発売されることになったのは、1970年代に発売していた『グリコW(ダブル)ソーダアイス』という2つに分けられるバーアイスを参考にしたことから。友人同士で分け合えるというコンセプトを楽しんでもらえて、多くの方の支持につながりました。おいしさはもちろんですが、“楽しさ”というのもパピコには欠かせない大切な要素です」

1974年の 「グリコWソーダアイス」 写真/江崎グリコ

発売からもうすぐ50年を迎えるパピコ。総累計販売個数は2022年7月時点で38億個以上にもなります。特にここ最近10年間では売上が約2倍に拡大。売上の急上昇を後押ししたのは、生産技術の向上によって、現在のような“なめらか食感”に改良したこと。

「リニューアル以前は、『子どもの頃は食べていたけど、大人になってからは食べていない』という方もいらっしゃいました。1998年に“なめらか食感”にリニューアルしたこと、その食感の進化を改めて強く打ち出したことで、大人の方でも満足いただける味わいであることが認知されるようになりました。なめらかになって、より食べやすくなったことも大人の方に受け入れられたきっかけのひとつです」