ALS(筋萎縮性側索硬化症)を検索すると「感覚があるままに体が動かなくなる病気」という説明が多くあります。もう少し詳しい書き方を探すと「筋肉が動かなくなってしまい最終的に自力で呼吸が出来なくなる」という説明がなされています。そして「現在、効果の認定されている治療法がない」と言われていることで知られています。ALS罹患を公表して2年半が過ぎ、病状は進行しています。そしてALSという難病の最初の決断の段階に入ってきたと思います。今回は前回の季節の変わり目のとらえ方の変化や病状の進行の話に引き続き、ALSの日常についてお話ししていこうと思います。

厚生労働省の調査によると、2019年度、要介護となった人数は約667万人だが、介護職員の人数は210万人。今後さらなる高齢化社会に伴い、介護職員の人数不足も懸念されている。だからこそケアサービスとはなにか、訪問介護とはなにかをきちんと知り、ケアする側もされる側も歩み寄って介護に向き合うことが大切だ。

2019年にALSの告知を受けた声優の津久井教生さんは、罹患を公表してから2年半になった。要介護5の認定を受け、身体がほとんど動かない中で、割りばしを口にくわえてひと文字ひと文字打ち込んでこの連載も執筆。そして奇跡的と言われる声でニャンちゅうの声も演じ続けている。そして24時間訪問介護の体制を少しずつ作ってきた。ALSという、原因も進行具合もわからない難病でマニュアルがない介護に重要なことをお伝えする。
2020年の「ニャンちゅう」チームの皆さん。左から比嘉久美子さん、津久井さん、鎮西寿々歌さん。鎮西さんはツイッターで「キッズファミリー賞」受賞にお祝いのメッセージも! 写真提供/津久井教生
津久井教生さん連載「ALSと生きる」今までの連載はこちら
-AD-

ALS罹患者の「日常生活」とは

前回の連載「気管切開・胃ろう・介護…ALSに罹患したニャンちゅう声優「どう生きるか」の模索」において最も多かった反応は「『津久井教生とヘルパーさんのあるある介護日記』良いですね、楽しみにしています」「ヘルパーさんとの日常から介護がどんなものか知りたいです」という、私のやる気エネルギーが充填されるものでした。たくさんの応援ありがとうございます。

何度もお伝えしている通り、私の介護されている日常生活は「ALS罹患者すべての介護生活」とイコールではありません。ALS(筋萎縮性側索硬化症)という難病は、ALS罹患者の数だけ病状があるという特性が大きな理由のひとつです。ALSの進行はまちまちで、症状がどこから始まったかによっても介護の仕方が全然違うのです。

理由の二つ目としては多くのALS罹患者の方が私よりも進行している場合が多いということです。私は「胃瘻造設」「気管切開」「人工呼吸器設置」をまだしていない進行状況のALS罹患者です。私自身も現在先を歩んでいらっしゃる方の生活をSNSで勉強させてもらったり、アドバイスをもらったりしている状態です。どちらかというとこの先の方がALSと生きていく上で色々なことがありそうです。