2022.08.05

「ストーカー被害の相談をしたら爆笑された」……“アスペルガー症候群”の夫の言動に青ざめた妻の告白

仁科 友里 プロフィール

しかし、その頑張りは“期限付き”であるものらしい。宮尾氏と公認心理師・滝口のぞみ氏の共著『アスペルガータイプの夫と生きていく方法がわかる本』(大和出版)では、「結婚を機に態度が変わるのは、妻が他人ではなくなり、自分の延長線上のものだと捉えるようになるためです。

自分が思っていることは、当然妻も思っているし、自分が心地いい状態は、妻も当然心地いいと思うのです」と解説している。アスペルガー症候群の男性にとって、結婚することは妻を気遣いの対象リストから外す意味を持つのだ。

夫に記憶力がないことも、葉月さんを悩ませた。

「たとえば、私は偏頭痛持ちで、ときどき寝込みます。彼に看病してもらったことも何度もありますが、『私って偏頭痛持ちだから……』みたいに言っても『そうだっけ?』と覚えていない。

この件に限らず、週末の予定という些細なことから、車を買う話まで、夫は覚えておらず、『そんな話は聞いてないよ』と言われてしまう。一緒にいる時間が増えると、お互いに対する知識が増えるものですよね。でも、夫にはそれがないんです。本気で記憶を失う病気なのかもしれないと思いました」

 

周囲の共感は得られない

夫の独特の行動がアスペルガー症候群の特性によるものとは知らない葉月さんは、友人や実母に愚痴をこぼすが、誰にも共感されなかった。

「母には、いちいちうるさい。いつまでチヤホヤされようと思っているんだ。オトコなんて、結婚なんてそんなものと言われました。

友達には、うちのパパも週末に子どもと遊園地に行くって約束していたのに、忘れちゃったりするよって言われたんですけど、それは約束を忘れたわけですよね。夫の場合、私という存在が頭にない、もしくは、忘れられているように感じたんです。そこを訴えたかったんですけど、誰にも共感してもらえませんでした」

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