2022.08.05
# ライフ

アスペルガー症候群の夫と結婚生活を送る「カサンドラな妻」が“3つの絶望”を経験して初めてわかったこと

仁科 友里 プロフィール

同じ悩みを抱える人とつながる

しかし、これもなかなか難しい部分がある。詳細は後述するが、人は“出来事”ではなく、“条件”によって共感するかしないかを決めていることが心理学の実験で明らかになっているからだ。つまり、特定の条件を満たしたカサンドラな妻に対しては、話し相手は「最初から、共感するつもりがない」のである。

医師の宮尾益知氏は『発達障害と人間関係 カサンドラ症候群にならないために』内で、脱カサンドラへの第一歩として自助グループへの参加を勧めている。SNSで同じ立場の人とつながることも効果的だろう。金銭的な負担はあるが、カウンセリングにかかることも有効である。日常的、かつ定期的に吐き出す場所を積極的に作らなくてはいけない。

カサンドラの妻の言うことを疑わず、「それはつらかったよね」と親身になって受け止めてくれる人が現れると、妻たちの様子は変わる。次第に元気を取り戻して「このまま愚痴を言っていても仕方がないから、次のステップに進もう」と思うようになるだろう。多くの人が、アスペルガー症候群に関する知識を収集するが、ここで最難関の「第三の絶望」が待ち構えていると言えるだろう。

ほとんどの指南書は「アスペルガー症候群の特性は変わらない、だから、夫を理解して、支えてあげましょう」と妻に“理解”と“お世話”を求めている。

 

それは根拠のある正論だが、長年アスペルガー症候群の夫の特性に振り回され、心身をすり減らした妻にとっては「こんな状態なのに、もっと頑張れというのか」とさらなる絶望に追い込まれるのだ。葉月さんも原因不明の病気にかかり通院していたが、どれだけ通っても全くよくならなかった。

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