習近平のメンツは丸つぶれ…ペロシ訪台で「台湾有事」がますます現実のものに!

台湾訪問は「正解」だったのか?

「ペロシ訪台」の余波

米国のペロシ下院議長の台湾訪問は、台湾を自国領と主張する中国の強烈な反発を招いた。ペロシ氏が到着した2日夜、中国軍は意趣返しのように台湾周辺6カ所の海域で実弾演習を行うと発表し、4日から開始。米軍の空母ロナルド・レーガンが急遽、フィリピン沖へ移動、一定の距離を保ちつつも米中がにらみ合う事態となった。

2日深夜、C40要人専用機で台北入りしたペロシ氏は翌3日午前9時に台湾立法院で演説し、台湾訪問の目的について「世界の安全保障や経済的な繁栄、統治の問題について話し合うことだ」と述べた。

次いで行われた蔡英文総統との会談はライブ方式で冒頭部分が公開され、まず蔡氏がウクライナ情勢と緊張が高まる中台関係を重ね、「エスカレートする軍事的脅威に対し屈せず、主権と民主を守る」と宣言。「台湾は米国の重要なパートナーである」と強調したものの、中国を名指しで批判することは避けた。

これに対し、ペロシ氏は「米国が台湾へのコミットメント(約束)を捨てることは絶対にない」と明言、続けて「世界は民主主義と権威主義の選択に直面しており、台湾と世界の民主主義を守るという米国の決心は固く揺らがないものである」と力説した。

ペロシ下院議長と台湾の蔡英文総統[Photo by gettyimages]
 

米欧や日本は台湾を独立国とは認めておらず、正式な外交関係はない。米国は1979年に中国との国交を正常化した後、台湾関係法を制定して武器供与を含む台湾への関与を継続。あいまいさを残した「ひとつの中国政策」で中国と向き合ってきた。

バイデン米大統領は昨年8月と10月の2回にわたり、「われわれには台湾を防衛する責務がある」と“失言”。今年5月、東京であった日米首脳会談後の記者会見でも「台湾を守るか」と問われ、「イエス」と回答し、「それがわれわれのコミットメントだ」と述べた。

ホワイトハウスは毎回、バイデン発言を訂正。5月の発言もオースティン国防長官が「対中政策に変更はない」と打ち消している。

だが、これは失言ではない。バイデン氏が本音を語り、政府が否定するという役回りを演じ、中国を牽制しつつ過度に刺激しないという絶妙なさじ加減だった。

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