2022.08.06
# スポーツ

日大三・小倉監督は選手を叱るとき、なぜ下級生より「上級生を叱る」のか?

チームを正しく導くために
「選手を叱るときは、下級生ではなく上級生を叱ると決めている」。こう語るのは、甲子園の常連校・日大三高を率いる名将で、『「一生懸命」の教え方』の著書もある小倉全由監督だ。部下や後輩をどう指導すればよいか、組織をどうまとめればよいか、お悩みのビジネスパーソンにも役立つであろうこの「叱り方のコツ」について、くわしく教えていただいた。

「ほめる」「叱る」を使い分ける

選手を叱るような場面が起きた場合、下級生よりも経験や立場が上の上級生のほうを叱る――。私はそう決めています。

なぜなら、上級生を叱ることで、下級生には「これはやってはいけないことなんだ」と理解してもらえるからです。

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最近は「ほめる教育」がよしとされていますが、ほめてばかりいると選手が100%の力を出し切ることなく、その手前の時点で「もういいや」と妥協することのほうが多くなってしまうような気がしてなりません。それだけに、「ほめる」と「叱る」はメリハリをつけて使い分けて指導するほうが、子どもたちのためになるのではないかと思うのです。

もちろん選手には、理不尽な理由で叱ることなどいっさいしません。私が練習のときに選手を叱るのは、明らかに手を抜いていることがわかったときです。こうした兆候が見えたときには絶対に見逃さないというのを、私は自分のルールのひとつと決めています。

たとえば守備練習の際、ノックのボールをうしろに逸らしたり、とんでもないところに送球してしまうことは時折あります。

こんなときは、「ようし、もう一丁!」とエラーや暴投をした選手にノックを打ちます。このとき、失敗したことに対して、目くじらを立てるように厳しく説教するようなことはしません。

けれども、いかにもやる気のない様子だったり、力を抜いたりしているような様子が見てとれたときには、話は違ってきます。

「そんな態度を見せるんだったら、オレはもうお前さんにはノックしないぞ!」

厳しく叱り、監督と選手との間に一定の緊張感を保つようにしているのです。

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