韓国「ニホンノセイダーズ」と日本「アベノセイダーズ」との共通項

テロリズムを許容するその心根

宗教問題ではない、民主主義に対するテロ

まず、安倍元首相暗殺事件は「『民主主義』に対する『暴力テロ』」である。決して、「宗教がどうのこうの」というたぐいの話ではない。

もちろん、現在色々と報道されている旧統一教会の過去行った行為を擁護するつもりはない。「霊感商法」などは社会悪と言っても良いと思う。だが、今回の「民主主義の言論の実践の場である選挙応援演説中」に卑劣な暗殺犯が「暴力(銃弾)によって国民に民主的選挙で選ばれた『国民の代表』を暗殺し、口を封じた」ということが、今回の暗殺事件の本質だということを忘れてはいけない。

1932年の5.15事件で「話せばわかる」と諭した犬養首相を「問答無用」と言い放って青年将校たちが撃ち殺した事件は、7月15日公開「『アベノセイダーズ』の罪と罰――安倍元首相暗殺が暗示する戦前昭和」で述べた。

この時が日本の民主主義の大きな岐路であったように思える。今回の安倍元首相暗殺事件がこの犬養首相暗殺事件に重なって見える。

ほとんどのメディアが、安倍元首相暗殺事件を旧統一教会(宗教)の問題に矮小化しようとしているが、「宗教と政治」をもし論じるのであれば、宗教との関係が公然の事実ともいえる「公明党」に関して、メディアがほとんど語らないのはなぜなのか?

あるいは、ウィキペディアの「Category:キリスト教系政党」には、過去のものも含めて世界の17政党が列記されている。

さらに、現在の米国大統領であるジョー・バイデン氏はジョン・F・ケネディに続く2人目のカトリック系の大統領である。

バイデン氏の教会通いの頻度がどの程度かわからないが、キューバ危機の緊張が最大に高まったころ、KGBを通じて「ケネディ大統領が教会で祈りをささげた」という報告を聞いたソ連の高官が、「核ミサイル攻撃を決断したのか!?」とパニックになったという逸話がある。

もちろん、ケネディ大統領は敬虔なカトリックであったので、「毎週」教会に通っていただけなのだが、共産主義に基づき宗教を禁止していたソ連の高官はそれがわからなかったのかもしれない。

また、バイデン氏はカトリックだが、米国を分断する「中絶問題」では、(カトリック教会の教えとは基本的に反対の)「容認派」である。

さらに、2020年6月28日公開「カトリック教会で『子供の性的虐待3000人以上』…狂信と信念の境目」や、2019年12月13日公開「ローマ教皇に言いたい、バチカンこそが難民を受けいれるべきです!」4ページ目「ナチスの教皇から共産主義の教皇へ」などのカトリック教会が引き起こした問題の責任をバイデン大統領がとるべきなのだろうか?

 

ちなみに、CNN7月26日の記事「ローマ教皇、カナダ先住民に謝罪 寄宿学校の虐待めぐり」によれば、カナダの寄宿学校では先住民の子ども4000人以上がネグレクト(育児放棄)や虐待のために死亡した。

結局、「宗教と政治」はもちろん重要な問題であり議論を尽くすべきだが、安倍元首相暗殺事件の本質ではないということだ。

宮城県栗原市にある安重根記念碑

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