「労働時間が長いブラック企業ほど、不倫や浮気が多いと感じています」と語るのは、浮気調査に定評がある「リッツ横浜探偵社」の山村佳子さん。

日本の労働時間は長いと言われている。OECD(経済協力開発機構)が発表した、2021年の加盟国の平均年間労働時間の調査データを見ると、日本の年間労働時間は45か国中27位で1607時間。最も労働時間が長い国はメキシコで2128時間。最も短い国のドイツは1349時間だった。しかし、統計データにはサービス残業は含まれていない。

その「長時間労働」の実態が、浮気の隠れ蓑になっているケースもあるようだ。
山村佳子さんのもとに相談に来た専業主婦の沙織さん(45歳・仮名)は、マスコミ関連会社に勤務する夫(47歳)と結婚17年。夫は激務でほぼ週末しか自宅におらず、モラハラ傾向がある。沙織さんには冷淡だが、15歳と13歳の優秀な息子たちを溺愛している。半年前に夫の本棚から「ベストパートナーへの道」と書かれたノートを見つけ、夫が自分との関係を改善するためにそのノートを記しているのかと思ったが、事態は悪化する一方。

前編「息子たちを溺愛、「デキる夫」が長時間労働の裏で企てる「妻追い出し計画」の予兆」では、山村さんがそのノートを見つけてから、10年以上止まっていた夫婦生活が夫から一方的に再開されたことで、浮気と確信して調査を始めるまでをお伝えした。掃除、洗濯、食事の支度、2人の息子の弁当作成まで、生活の雑事を妻・沙織さんに預けっぱなしにしていた夫。高学歴で高収入、社会のために激務をこなす夫を尊敬する沙織さんだったが、調査の結果、どんな事実が現れ、沙織さんはそれをどう受け止めるのか。

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平日は朝6時に出勤、深夜2時に帰宅

夫の働き方を聞くと、コロナ禍だろうとなかろうと、常に帰宅は深夜2時。そして朝6時には家を出るとのこと。しかし土日は家族との時間を大切にしており、2人の息子を連れて、地方のSLに乗りに行ったり、野球の観戦をしたり、鉱物採取に行くなどをしています。

妻の沙織さんはもちろん同行し、弁当を作り車の運転をするなどの雑事をこなしています。話を聞けば聞くほど、夫は沙織さんを“従順な召使い”のように扱っており、沙織さんも“殿に仕える忠臣”のよう。ただ、沙織さんは家族のために滅私奉公することにプライドを持っています。それは素晴らしいことですが、夫が沙織さんを尊重していないことはやはり気になります。

この歪んだ夫婦関係が出来上がるまでに、夫からの「俺は会社のために魂を削り、長時間労働をものともせず、働いているんだ」という圧力があることもわかりました。長時間労働は健全な家族関係を歪ませてしまうところがあります。

加えて、探偵としての経験から、長時間労働の会社ほど、社内恋愛と不倫が多いこともわかっていました。同じ空間に男女がおり、接している時間が長いから恋愛感情が芽生えやすい。さらに、会社には会議室などの密室が多数あり、実際に防犯カメラなどが仕掛けられているところは少ないです。
さらに、沙織さんの夫が勤務する会社は、長時間労働を前提としているため、シャワー室や休憩用の個室もある。ラブホテルとしての機能を社屋に備えているとも言えるのです。