2022.08.09

【31円引き上げでは不十分】 日本の賃上げ率は“自爆”した韓国・文在寅政権を「反面教師」として調整するべき理由

過去最大の上げ幅だが……

中央最低賃金審議会(厚生労働相の諮問機関)は8月2日、今年度の最低賃金の目安を全国平均で時給961円にするよう後藤茂之厚労大臣に答申した。昨年度からの上げ幅を31円とし、昨年度の実績(28円引き上げ)を上回る過去最大の賃上げを目指すというのである。

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これに対して、労働側からは歓迎の声が聞かれる一方で、化石燃料や穀物など輸入原材料の物価が高騰する中だけに、経営側からは収益の大きな圧迫要因になるとの悲鳴も聞こえてくる。

だが、欧米先進国と比べると、日本の最低賃金は著しく低い。低賃金ゆえに、生産性の低い仕事が効率化されず、付加価値の高い仕事に従事する労働者が増えないから、いつまでたっても賃金が上がらないジレンマが温存されてしまうとの批判的も少なくない。

この「貧者のジレンマ」とでも言うべき状況を打破するには、いったい、どれぐらいの最低賃金の引き上げが必要なのだろうか。

最低賃金には最低賃金法という法的な裏付けがある。この法律は「賃金の低廉な労働者について、賃金の最低額を保障することにより、労働条件の改善を図り、もつて、労働者の生活の安定、労働力の質的向上及び事業の公正な競争の確保に資するとともに、国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする」(第1条)と最低賃金を位置付けている。

 

実際の最低賃金は時間給で示されることになっており、フルタイム、パート、アルバイトといった雇用形態にかかわらず、企業は最低賃金以上の賃金を支払うことを義務付けられている。従わなければ、50万円以下の罰金が科されるのだ。

厚生労働省によると、今回の31円(全国の加重平均)という引き上げ額は、実現すれば、1978年に目安を示す制度が始まって以来、最高だ。引き上げ率も 3.3%と昨年度の 3.1%を上回ることになる。

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