2人に1人が「がん」になる時代に思うこと

もしも、あなたががんと診断されたとしたら、また、部下や同僚ががんと診断されたとき、「仕事」に対してどのように思うだろうか?

「今までと同じように働けるだろうか?」
「無理しないで今は休んでほしい」
「仕事をして病気が悪化したら大変……」

こんな言葉が浮かんだりはしないだろうか?

2005年、私は乳がんと診断された。女性誌にそのときの闘病記の連載を始めた途端、新しい仕事の依頼がふっつり消えた。フリーランスは働かないと収入ゼロ。なにより当時の私にとって仕事は、社会における自分の「存在価値」のようなものだった。「がんになると仕事は無理と思われるんだ。私の代わりはいくらでもいるんだ」、そんな寂しさと焦りを覚えながらも、なぜか、がん治療中の自分が「働けます」と言ってはいけないような気後れを感じていた

今日本では、2人に1人ががんに罹患すると言われている。自分自身が罹患しなくても家族や友人、同僚などが罹患することも稀ではない。まさに自分事の病だ。それなのに、がんに対する理解はなかなか深まらず、いまだに「がんになったら人生おしまい」のイメージが付きまとう。

「がん」は珍しい疾患ではなく、今や2人に1人が罹患する時代。治療法も進化し、がんの治療をしながら生きる時代に変わってきている。photo/iStock
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でも実際は、がんに罹患しても普通に生活している人はたくさんいる。働きながら抗がん剤などの治療を行っている人もたくさんいるのだ。そして、今までと同じように生活できることががん患者の希望であることはなかなか認知されない。

今、がんを取り巻く治療の現場で注目されているのが、がんに対する理解を深め、思い込みをなくすという「がんとアンコンシャスバイアス(無意識の思い込み)」への取り組みだ。