2022.08.09
# 相続

「遺産を渡すわけにはいかない」…62歳の妹が「3億円の実家の相続」で、兄にキレたワケ

相続は、ときに仲がよかった兄弟姉妹の関係を引き裂きます。

伊藤浩子さん(仮名)には、兄と、年の離れた2人の姉がいます。兄夫婦は、東京の一等地・文京区で両親と一緒に暮らしており、2人の姉は遠方に嫁いでいました。

【前編】「62歳の妹がキレた…「3億円の実家」の相続で発覚した「身勝手すぎる兄夫婦」の行動」で見た通り、都内に暮らす浩子さんは時々実家を訪れていましたが、両親が80歳を超えた頃、父親に異変が現れます。趣味のゴルフ用品などにお金をつぎ込み、貯金が底を尽きかけていたのです。

病院に連れていくと父親は認知症とのこと。薬などでいったん行動は収まりましたが、今度は、そのケアと心労で母親がうつ病になってしまいました。そして、やがてこのことが相続のトラブルへとつながっていきます。

〔PHOTO〕iStock
 

介護は同居の嫁より別居の娘

浩子さんは、こうした両親の変化を前にして、異変に気付けなかった自分に対して情けない気持ちになると同時に、両親と同居して子育てや経済面で両親のお世話になってきた兄夫婦が、異変にまったく気づかなかったことに怒りを覚えました。実は筆者も介護のお金について相談を受けていると、毎日一緒に暮らしているはずの家族が、親の認知症に気づかなかった、という例はよく耳にします。

同居家族が親の生活に関心を持たず、食事など生活スペースも別、寝室も遠く離れた部屋、といった状況だと、親の夜の様子もわからず、認知症やうつ病といった異変に気づきにくいのです。さらに、別居の娘たちが来たときは、うれしくて元気になってしまうため、気づいたときには要介護認定を受けるような、重度の認知症になっている例も少なくありません。

関連記事