「ベンツに乗ってゴルフに行く」社長が根本的にダメな理由

だから日本人の給料は上がらないのか
「どうせ世の中うまくいくことのほうが少ないのだから、最初からその前提で生きる」という人生の構えを示して大きな共感を呼んでいる『絶対悲観主義』の著者・楠木建氏。普段から期待値はできるだけ低く設定するという『ゼロからわかるファイナンス思考』の著者・朝倉祐介氏。ビジネスパーソンから信頼を集める二人が大事にしている「ものの見方」や、お金に振り回されずに生きるためにもOSとして備えておくべき資本主義のルールだという「ファイナンス思考」について語り合っていただいた。

期待値を下げておけば、仕事がぐっとラクになる

楠木建:僕は小さい頃から勉強でも学校生活でもうまくいくことがそんなになかったんですね。でも、考えてみれば世の中うまくいくことのほうが珍しい。特に仕事においては、お互い利害を抱えて臨んでいるのに、自分の思い通りになると思うほうがそもそもヘンなことだと気づきまして。だったらもう、うまくいかない前提でやっていこうじゃないかと。そこから、仕事がぐっとラクになったんですよね。

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朝倉祐介:僕ももともと、期待値は下げておくタイプです。なので、基本的にはろくなことが起こらないことを前提にものごとを考えています。以前、ミクシィを経営していたとき、業績が悪くて先行きも暗くて、それはもう良くないことが次々に起きたのですが、当初から「家族・親族に危害が及ぶこと、投獄されること、殺されること。この3つよりも悪いことが起きなければいいか」と構えていたので、実際に生じることは最初の期待値よりは悪くない。だから許容することもできました。僕の場合の期待値コントロールは、自己防衛のためでもありますね。

 

楠木:期待値を下げておくことのメリットは、まず実装が極めて容易だということです。やることはただ、自分の期待値を悲観の方向に振り切っておくだけ。指一本動かさなくていい。状況がいいとか、自分の能力にマッチしているとか、どんな好条件でも一切期待はしない。僕は「絶対悲観主義」と呼んでいますが、いついかなるときも、何をやっても、「まずうまくいかないだろう」という構えでいると、結果的にうまくいかなくても、予想通りなのでダメージは少ない。たまにうまくいくことがあれば、望外の喜びがある。大変コスパがいい。逆は最悪です。

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