広島と長崎に原子爆弾が落とされてから、2022年8月9日で77年になる。戦争によって、核によって人々がどれほど苦しみ、傷ついてきたのか。それを伝え続ける必要を、2022年の今、より多くの人が感じているのではないだろうか。ロシアによるウクライナの軍事侵攻を目の当たりにし、改めてシリアやミャンマーでも続いている内戦について目を向けた人も多いことだろう。

普段は殺人は重罪なのに、戦争となるとなぜ人を殺すことが許されてしまうのか。そして普通の人々の暮らしを破壊することが平然となされてしまうのか。

ロシアのウクライナ侵攻から半年になる今、ウクライナから必死に逃げてきた方々についてなかのかおりさんがレポートした前編「「日本語を話したい」ウクライナ侵攻から半年…日本への避難民が「失ったもの」」に続き、在日ウクライナ人の女性が日本への避難民を支援して感じたことを伝える。「戦争の現実」がここにある。ウクライナからの避難民の9割近くが「日本語」の壁を感じ、学ぼうとしている中、言語のサポートもできるからこそわかる支援する側の想いとは。

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在日ロシア人が洋服や日用品を支援

筆者が個人的に知り合った在日ウクライナ人女性のAさんにも、実情を聞いた。公私共に、避難民の支援に携わっている。避難民の中には、パスポートを撮影した写真が入ったスマホだけ持って、逃げてきた人もいた。最近は、高齢の避難民も多く、仕事ができなかったり、病気の治療を継続できなかったりと、悩んでいる人もいるという。

在日ロシア人に、助けられることもある。
「避難民受け入れの最初の頃は、紹介されたアパートに入っても、何もなかった。お金も足りなくて、シャンプーやトイレペーパーが買えない人もいました。そういう時、日本にいるロシア人が、ウクライナ人を助けたいとトイレペーパーやシャンプーを寄付してくれました。私たちも自治体に働きかけ、今はそうした備品を、最初の分は用意してくれるようになりました。

千葉市の市民団体と留学生が開いたウクライナ避難民歓迎イベントでは、トイレットペーパーなどの物資支援も 撮影/なかのかおり

在日ロシア人は、ウクライナの避難民に連絡し、お金はないけれど、洋服や食べ物をあげています。夏服は大丈夫なようですが、これから冬服が足りないのではないかと思います。なぜなら、私たちは背が高くて手足が長いので、合う服がなかなかないんです」

子ども食堂に参加した子どもたちが書いたメッセージポスター 撮影/なかのかおり