今年6月、FRaUは気候変動対策に向けたさらなるアクションとして、神戸新聞社とタッグを組み、兵庫県神戸市内の高校・大学生らとともに世代をこえたサステナブルな未来の実現を目指すプロジェクト「神戸の私たちから地球の未来を変えるはじめかた。」を結成。6月18日には、神戸市内の一部の高校・大学に「FRaU 2022年1月号 世界を変えるはじめかた。2022」200冊を寄贈した。

同月18日には、FRaUを手にした学生の中から代表する1大学3高校の約30名、神戸新聞社、FRaUが集まり、対面とオンラインを交えたハイブリッドミーティングを実施。メインテーマは「気候変動・脱炭素」。2020年には、シベリアでは北極圏の観測史上最高気温(暫定)となる38℃を観測。産業革命以降続く気温上昇を1.5℃以内に抑えないと、地球における持続的な暮らしは著しく困難になると言われ、すでに1.1度上昇していることから、あと0.4℃しか猶予がありません。そんな危機迫る今、私たちは何を考え、どうアクションをすれば良いのか。参加者全員で、地球の未来を変える一歩とすべくディスカッションを行った。

登壇者はこちら!
神戸市の高校・大学生のみなさん
ソーシャルグッドプロデューサー石川淳哉
神戸新聞社 報道部デスク 森本尚樹
FRaU編集長兼プロデューサー関龍彦

風力発電から生物多様性の研究まで。学生らが取り組む本格的なアクション

司会を務めるのはFRaU SDGsプロジェクトメンバーであり、“社会にいいこと”を広める活動家でもあるソーシャルグッドプロデューサー石川淳哉。

左上・FRaU編集長兼プロデューサー関龍彦 右上・神戸新聞社 報道部デスク 森本尚樹 下・ソーシャルグッドプロデューサー石川淳哉

石川淳哉(以下、石川):みなさんこんばんは。ディスカッションを始める前に「ちょっとした約束ごと」を挙げさせてください。

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1 誰の意見も大切。否定しないで受け取ってみること。
2 地球の未来を少しでも良い方向にできるアイデアを募集。
3 知るだけではなく行動が変わっていくようなアイデアがベター。
4 質問や意見を思いついたら自由にチャットに書き込もう。
5 ここから始まる、私たちで未来を変える気持ちを持つこと。


以上5つのルールを守りながら、この場が、参加者全員にとって未来に向けた一歩となるような意見交換できればと。それでは、まず神戸新聞社を代表し、報道部デスクの森本尚樹さんからご挨拶をお願いします。

森本尚樹(以下、森本):今日はお集まりいただきありがとうございます。私たち神戸新聞社は、新聞、そして神戸新聞ネクストというウェブメディアで、さまざまなニュースを発信しています。昨今、世界各国で気候変動における被害が報告されていますが、もちろん私たちの暮らす神戸も影響をうけています。そこで今日は報道メディアという立場から、そのような実態を交えながらお話し、気候変動への対策、脱炭素に向けたアクションに繋がる場になればうれしいです。

関龍彦(以下、関):みなさんこんにちは。FRaUがはじめて一冊丸ごとSDGsを扱った号を刊行したのが2018年のこと。当時SDGsという言葉の認知率は14.8%しかありませんでした。それから4年が経ち、先日発表された2022年の認知率は86.0%に。ほとんどの人がSDGsを知っている状況になりました。今日は、FRaU SDGs号を読んでいただいたみなさんの声を聞かせてください。私たちは普段、専門家に話をうかがうことが多いのですが、同じくらい読者のみなさんの声も大切だと思っています。

石川:そう、今は街を歩いている人の約8割がSDGsという言葉を知っている世の中になりましたね。ところが今年4月に国連が発表したIPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change:気候変動に関する政府間パネル)によると、2030年までに気温の上昇を1.5℃までに抑えなければ、私たちの暮らしは危機にさらされてしまうと。このままだと3.2℃、いや最悪の場合5℃も上昇するかもしれないと言われています。そうなると、私たち人間が住める環境ではないでしょう。そうならないために、私たちができることはたくさんあるはずです。知識と行動が伴うことを知行合一と言います。今の時代、いちばん重要な言葉かもしれません。

ーーそれでははじめていきましょう! みなさんが社会課題の解決に向けて取り組んでいること、考えていることを聞かせてください。  

神戸学院大学 経営学部 越智優斗:ゼミで行っているアクティブラーニングの一環として、地元の企業と商業施設「神戸マルイ」のコラボ企画を実施しています。直近では、コーヒー豆のフェアトレード認証を取得した神戸珈琲との取り組みで、まだ認知度の低いフェアトレードをもっと多くの人に伝えるために、神戸マルイのスペースをお借りしてフェアトレードコーヒー展示を行いました。

神戸学院大学 越智優斗さん

六甲アイランド高校 美術コース 山下ゆめ:私たちは今、SDGsをいろんな人に知ってもらうためのポスターを作っています。たとえば、工場から出た煙が雲に、そして酸性雨となり森林に降り注ぐ様子や、その森林が地球を燃やしている様子などを描くことで、視覚的に情報を伝えるアクションに挑戦しています。

SDGsについて調べてみると、危機感を煽るような写真が多いのですが、FRaUをみていると、自然の美しさを映した写真や動物の可愛らしい姿を描いたイラストなどがたくさんあって……楽しい一面も美術に生かして、伝えていけたらいいなと思っています。

六甲アイランド高校 総合科学系 松浦琉成:課題研究のなかで、僕が所属する班では、風力発電について研究しています。火力発電や原子力発電は電力をたくさん作ることはできても、二酸化炭素をたくさん排出してしまう。一方で再生可能エネルギーを用いた風力発電や地熱発電、水力発電などは、二酸化炭素をあまり排出しないけれど、効率が悪い。そこで僕らはもっと効率よく電力を供給できないかを探る研究をしています。

葺合高校 国際科 今成希海:僕は生物多様性について調べる課題研究を行っているのですが、オンラインでの交流が頻繁に行われていて、海外に住む人たちともお互いの国の問題について話すことも多いです。世界からみた日本について学ぶことができ、そこから知見を広げ、またアウトプットする……を繰り返すことで、現状を知り、しっかり理解してこれからの社会に役立てていきたい。

葺合高校 今成希海(のあ)さん

神港橘高校 高畠那奈子:学校の課題研究で防災緑地について調べています。先日「人と防災未来センター」に訪れた際、資料室で阪神淡路大震災後に、神戸の町がどのようにして復興したのかを学ぶことができました。私は大震災を経験したことないので、防災緑地を通して同世代の人たちに自然災害と防災、減災について伝えていきたいです。

森本:みなさんの思いに感銘を受けたと同時に、今後、もっとこのような活動を取材していかなければと感じました。またみなさんが学んだことを人に伝えていきたいという思いを持って取り組んでおられるのが印象的でした。人との繋がりは社会を動かしますから、その思いをこれからもどんどん発信し、人とのつながりを広げていって欲しいですね。

:想像していたよりもずっと具体的なテーマを持って取り組んでらっしゃることが伝わってきました。それぞれの学びをみんなと共有していくこと、そして自身のアクションを周囲に発信し、ディスカッションを重ねながらその場を大きくしていく……ということまでみなさんイメージできていることに希望が持てましたし、いい意味で驚きました。