定年後の“年収激減”…「年収100万円台が一般的」の70代をどう生きるか

収入低下の波は2度やってくる!

多くの人は定年後をどのように生きているのか? 話題の新刊『ほんとうの定年後 「小さな仕事」が日本社会を救う』では、リクルートワークス研究所研究員・アナリストの坂本貴志氏が、豊富なデータと事例から「幸せな定年後の生活」の姿を明らかにしている。

ほんとうの定年後』では、定年後の仕事に関する実態を「15の事実」としてまとめている。そこで、今回は「事実1 年収は300万円以下が大半」の内容を紹介しよう。

安定した老後を送るためには、経済的な裏付けが欠かせない。果たして現代の定年後の就業者はどのくらいの収入を得ているのか。また、将来において、定年後に高所得を得ることは可能になるのか。収入の分布データを分析して見えてきた、これらの問いへの答えとは——?

 

意外と知らない「定年後の年収」

まず、定年後の年収はいくらなのだろうか。

国税庁「民間給与実態統計調査」によれば、2019年の給与所得者の平均年収は436.4万円となっている。この調査には、国内で働くすべての給与所得者が含まれており、フルタイムで正社員として働く人はもちろんパート労働者なども含まれた数値となっている。

給与所得者の平均年収は、20~24歳の263.9万円から年齢を重ねるごとに右肩上がりで上昇し、ピークを迎えるのが55~59歳の518.4万円となる。そして、多くの人が定年を迎える60歳以降、給与は大きく減少する。平均年間給与所得は、60~64歳には410.7万円、65~69歳では323.8万円、70歳以降は282.3万円まで下がる。

図表1-1

図表1-1では、現在の年齢区分で比較可能である最も古い年次である2007年における平均年収も記している。

定年後の就業者について、2007年当時の給与水準と比較すると、はっきりと上昇している年齢区分は存在しない。高齢者人口の増加や労働参加の促進によって高年齢者の就業者数は増えていることから、厳密にいえば高い収入を稼ぐ人の絶対数も徐々に増えているとは考えられるが、まだまだ定年後の就業者の平均的な収入水準は低いといえそうである。

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