「このまま火葬していいのか?」葬儀社員が違和感を覚える、意外な死因

「葬儀社員は見た!」第1回
葬儀社に勤務する筆者は、たくさんの死に触れてきた。その中には、「果たしてこのまま、火葬をしてしまってよいものか?」「火葬してしまったが、もしかして取り返しのつかないことをしたのでは」と思わせられる例もあった。そんなモヤモヤを、今回は打ち明けたい。

死因「老衰」に違和感

葬儀社に入って一年目、まだ駆け出しの頃のことだ。担当していた遺族の家から事務所へ戻ると、隣の席の先輩社員が一枚の書類を眺めながら難しそうな顔をしていた。そしておもむろに、席へ戻ってきた主任にその書類を差し出した。

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主任。今回の故人なんですけど、なんか死因に違和感があるんですよ

先輩社員が持っていた書類は、死亡届だった。

 

死亡届はA3の紙で、左半分が死亡届に、右半分が死亡診断書・検案書になっている。このたった1枚の書類を市役所へ提出するだけで、人は戸籍から抹消され、火葬許可証が発行される。死亡届の提出は本来、喪主が行うものだが、忙しい喪主のために葬儀社が代行するケースがほとんどだ。

死因の欄に、『老衰』ってあるでしょ。

でも、故人はまだ70代で、ご遺体はヨボヨボって感じでもない。むしろ頑丈な印象なんですよ。これって、葬儀を進めていいんでしょうかね?

故人が自宅で倒れた後、かかりつけだったとされる医師が駆けつけ、死亡診断書を作成していた。

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