このところ、街やバス、電車内で起こったベビーカーに関するトラブルについてのSNSが話題になっている。みんな忙しいし、コロナや猛暑でストレスが募っているのもわかる。でも世の中の子ども(とその親)に対する視線が厳しすぎることが非常に気がかりだ。

そんな中、青山で大人が子どもを疑似体験できるというユニークなイベント『こどもの視展』を、「子どものランドセル重すぎ問題」の記事を書いたライター・若尾淳子さんが体験取材をした。「あらためて赤ちゃん・子どもの視点で世の中を見てみたら、その過酷すぎる状況に驚いた。高1の息子の子育てや子どもたちへの取材を通して、子どもの気持ちはわかっているつもりだった。でも、いかに『わかったつもり』になっていたかを痛感。ベビーカートラブルも子どもの視点がわかるともう少し優しくなれる気がする」と若尾さん。

大人になると忘れてしまう赤ちゃんや子ども時代の記憶をちょっぴり思い出させてくれるイベント『こどもの視展』の制作秘話やリアルな感想をレポートする。

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気軽に「赤ちゃん体験」のはずが、違った!

「今の子どもたちのランドセルを大人サイズの大きさと重さにしたものを背負えるイベントがあるらしいよ。行ってみない?」と編集担当に誘われて軽い気持ちでOKした。子どもたちの通学荷物が重すぎることについて、過去に寄稿したこともあり、ぜひ自分でその重さを体感してみたかったのだ。ランドセル体験のほかにも、いろんなシチュエーションの子どもや赤ちゃんの視点が体感できるという。一体どんなイベントなんだろう?

行ってみたのは「こどもになって世界を見てみよう。」という副題がついた体験型展示『こどもの視展』。東京外苑前のITOCHU SDGs STUDIOで開催されている。

以前取材で、お腹に10キロのおもりが入った妊婦スーツを着用して、パパが妊婦の体の状態をシミュレートできる「妊婦体験」、視覚障害ゴーグルや耳が聞こえにくくなるイヤーマフ、関節の動きを制限するサポーター、腰が曲がった姿勢に固定するコルセットなどをつける「老人体験」のワークショップに参加したことがある。

それらと似たような感じ? 数十年前に戻って赤ちゃん返りを楽しんじゃおう的なイベント? なんて思っていたが、想像を軽く超えてきた。赤ちゃんや子どもは私たちが思うよりずっとハードモードな環境を生きている。あんなに小さくて未熟なのに、その生活はまるで「サバイバー」だ。以下、その様子をレポートする。