内閣府は2022年版の『少子化社会対策白書』を発表。これは日本の結婚がこの50年間で大きく非婚社会になっていることがわかる。それが如実に出ているのが、50歳時の未婚割合だ。1970年は、男性1.7%、女性3.3%だったが、最新データの2020年を見ると、男性28.3%、女性17.8%まで上がっている

キャリア10年以上、3000件以上の調査実績がある私立探偵・山村佳子さんは「50歳時の未婚率が話題になっていますが、男性の場合、50代になって突然結婚するケースも増えています。やはり子供が欲しいという願望があるようです。マッチングアプリの登場で、出会いの機会も増えました。しかし、結婚は家族がからみます。生活が一変するとトラブルが起こりやすく、その調査依頼も増えているんです」と語る。彼女は浮気調査に定評がある「リッツ横浜探偵社」の代表だ。今回山村さんのもとに相談に訪れたのは、資産家の実家のことを心配している40歳の女性。兄がコロナ禍50歳で結婚した相手について調べてほしいという。この連載は、調査だけでなく、調査後の依頼者のケアまで行う山村氏が見た、現代家族の肖像でもある。

山村佳子
私立探偵、夫婦カウンセラー、探偵。JADP認定 メンタル心理アドバイザー JADP認定 夫婦カウンセラー。神奈川県横浜市で生まれ育つ。フェリス女学院大学在学中から、探偵の仕事を開始。卒業後は化粧品メーカーなどに勤務。2013年に5年間の修行を経て、リッツ横浜探偵社を設立。豊富な調査とカウンセリングを持女性探偵として注目を集める。テレビやWEB連載など様々なメディアで活躍している。
リッツ横浜探偵社:https://ritztantei.com/
山村佳子連載「探偵が見た家族の肖像」これまでの記事はこちら
-AD-

50歳、仕事のできる尊敬できる兄の「変化」

今回の依頼者は専業主婦の里沙さん(40歳・仮名)です。「兄が突然、家族に無断で結婚してしまい、その相手のことがどうしても信用できない。2人を別れさせてほしいのです」と語ります。
「兄は私の10歳年上で、現在50歳です。年齢が離れているからか、私のことをとてもかわいがってくれて、ウチの子供たちにも勉強を教えてくれたり、夫とお酒を飲んで語り合ったりして、大好きな兄だったのです」

里沙さんは都心の高級住宅街にあるファミリータイプのマンションに住んでいます。兄はその近くの実家に両親と住んでおり、陰になり日向になり、里沙さん一家のことを気にかけていてくれたのだそう。

「兄は幼いころから優秀な人で、大学院を出てからは投資関連のグローバル企業に勤務。IT関連にも明るく、コロナ前までは世界中を飛び回っており、英語もドイツ語も話せるんです。それでいて優しくて、人を見る目があって、そんなところも尊敬しています」

里沙さんに夫(44歳)を紹介したのも兄だったそう。2人は大学のゴルフ部の先輩・後輩の関係だそうです。

「そんな兄が、コロナ禍を機に変わってしまったんです。それまで仕事に人生をささげ、月の半分を海外で過ごしていたのに、家に閉じこもらなければならない。兄は私に“人間は会って話すことでイノベーションを起こしてきた。自粛はばかげている”とこぼしていました」
しかし、真面目な里沙さんは、そんな兄をたしなめます。

「すると、“そうか”と言い、私たちとも距離を置くように。そもそもウチはきちんとステイホームをしていたので、兄とは電話でしか話していませんでしたが。でも、自分のことをいろいろ考えたのでしょう。コロナ禍の最中、マンションを購入し、親に何も言わずに引っ越してしまったんです。その頃から、家族とも距離を置くようになってしまったのです」