台湾問題は実は反習近平派からの挑戦状、3期目は果たしてあるのか

ペロシ訪台の本当の意味を考える

「負け犬の遠吠え」

ナンシー・ペロシ米下院議長が8月2日夜から台湾を訪れ、翌3日に蔡英文・総統と会談した。これまでの米中のやり取りや、2月24日から始まった「事実上の米国の代理戦争」であるウクライナ紛争の戦況が米国(NATO)にとって思わしくない状況を考えると少々突飛な行動にも思える。

by Gettyimages

もし、共産主義中国が本気で米国の「下院議長訪台」という「挑発」に反応し、(偶発事項なども重なり)事を構えることになれば、米国は中国とロシアとの2面作戦とは言わないまでも1.5面作戦(ロシアとは直接対決ではないので0.5面とカウント)という難しい状況に陥る。

もちろん、それでも米軍が人民解放軍に勝利することは確実だと思われるし、習近平氏もそう考えているであろう。

事前にペロシ氏の訪台が伝えられた(ロイター8月3日「ペロシ氏訪台、先月の米中外相会談で議題に=米国務省高官」との報道もある)にも関わらず、8月2日~3日まで台湾に滞在している間は何ごとも無く、彼女が台湾を離れた後の4日に大規模軍事演習や大陸間弾道ミサイルの発射を行ったのは、まるで吉本新喜劇・池乃めだかの十八番を見ているようで哀れである。

小柄な池乃めだかが屈強な大男にぼこぼこにされた後、「よっしや、今日はこのぐらいにしといたるわ!」と虚勢を張って捨て台詞を残して去っていくのがこの芸の爆笑ポイントなのだが、ペロシ議長が台湾を離れた後の4日の習近平政権の行動は、まさにこの「爆笑ポイント」を彷彿とさせる。

また、人民日報系の環球時報の胡錫進前編集長は、中国軍による台湾入りへの妨害に効果がなければペロシ氏の搭乗機を「撃ち落とせ」と英語でツイートしたが、規定違反を理由に削除されている。

 

中国ではツイッターへのアクセスが規制されており、一般の人は使えない。しかし、政府機構やスポークスマン、国営メディアなどは海外への宣伝活動のためツイッターでの発信を行っているため、この「前編集長」の行動の真意はわかりにくい部分があるが、習近平政権が「米国を過度に刺激したくない」のは明らかだろう。

つまり、習近平政権は台湾問題に関していつも威勢の良い発言をしているが、実のところ米国と事を構える気など全くなく(偶発的な衝突はあり得るが……)、肝心なところでは「負け犬の遠吠え」をすることが精いっぱいなのである。

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