“さっき5人しか乗っていないガラガラのバスでベビーカーを専用座席にベルトで固定して乗っていたら、男性に「邪魔なんだよ!畳めやこのブタ!」と怒鳴られベビーカーを蹴られたのだが、残念!!国土交通省によりベビーカーは畳まなくてもよいとルール化されているので明日も強い気持ちでバスに乗るぞ!”

こうツイートしたところ、多くの反応があったという作家の小野美由紀さん。前編「ガラガラのバスで0歳児を連れた私がベビーカーを蹴られて「ブタが!」と言われた話」では、そのときの詳しいいきさつや、ツイートへの反応について綴っていただいた。その多くは励ましの言葉だったというが、今もなお理解が行き届いていないからこそ、こうしてベビーカーを蹴る人も存在するといえる。では「赤ちゃん連れで移動すること」は実際どれくらいのことなのか。

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「申し訳ない」という態度をすればいい?

私がバスでベビーカーを蹴られたことを報告したツイートに対し、全体的には好意的な反応が多かった。しかし、いくつかは「そうはいっても、ベビーカーって邪魔なんだよね」「あなたは周りに迷惑をかけることに対し、『申し訳ない』という態度を取っていたの?」というリプライもあった。ツイートのとおり、このときのバスはガラガラ。もちろん周囲に気を配っていなかったら、そもそも座席にベルトで固定もしないだろうし、どんな態度をとったところでベビーカーの占有面積は変わらないのだから、それ以上の「申し訳なさそう」な態度になんの意味があるのか、私はさっぱり分からない。

そもそも、申し訳ないと思う必要がどこにあるのだろう。公共交通機関にはどんな乗客も乗る権利がある。車椅子のお年寄りや、身体障害者も利用する。公共交通機関は「健常者」の利用を想定して作られているが、お年寄りや身障者、子連れや妊婦にとって利用しやすいかといえばそうでもない。だから優先席が設けられているのだし、ハンデのある人が利用する際に罪悪感を覚える必要など全くない

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「思いやりを持て」とか「他人に迷惑をかけるな」というのは一見真っ当なことを言っているように聞こえるし、反論しづらい言葉だが、気に入らない人間の行動を止めたり、罪悪感を植えつけるために使われることも多い。そもそもどう頑張っても迷惑にならない状態で利用しているのだから「申し訳なさそう」にしたところでなんの意味もない。ガラガラのバスで、通路がしっかり空いている状態で、ベビーカーをしっかりと座席に寄せて乗っている、こんな時に「申し訳なさそうな顔をしろ」と言われても、どんな顔をしたらいいのか、綾波レイでなくったって私にはさっぱりわからない。