2020年度の文部科学省の調査によれば、全国の小・中学生のうちで「長期欠席者」は約29万人。「長期欠席」とは、文部科学省によると年度内に30日以上登校していないことを意味するという。つまり

ではそういう状況でどのように「学ぶ」ことができるのか。それを教えてくれるのが、教育ジャーナリストのおおたとしまささんの最新刊『不登校でも学べる 学校に行きたくないと言えたとき』(集英社新書)だ。これは、フリースクールから不登校専門塾、不登校特例校、教育支援センター、通信制高校、公立校や私立校などを徹底取材、実例やデータも掲載し、令和の今の「不登校」に関する情報をまとめた一冊となっている。

不登校に向き合うとはどういうことなのか。では不登校に対峙したとき、大人はどう考えればいいのかというだけではなく、「教育とは何か」「学びとは何か」を感じさせる本書より抜粋の上再編集、第1回前編では「お腹が痛い」と学校に行きたがらなくなった小学5年生の女の子の例をお伝えする。

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小学5年生の娘が毎日「おなかが痛い」

「おなかが痛いから、学校を休みたい」
その日、マユミ(仮名)は学校を休んだ。そして次の日も、
「おなかが痛い」

幼いころからもともとおなかを下しやすい。さほど気にしていなかった。だがまた翌日も、
「おなかが痛い」

家では平気そうにしている。そんなことが一週間は続いただろうか。明子(仮名)はいよいよ仮病を疑った。

「やっぱり、おなかが痛い」
「そんなに毎日おなかが痛いなんておかしいでしょ! 家では平気そうにしてるじゃない! 学校に行きなさい!」
「イヤだ!」
「行きなさい!」
「イヤだ!」

Photo by iStock

何が何でも学校には行くものだという信念が、ばかばかしいくらい当たり前のこととして、地方都市の比較的厳格な家で生まれ育った明子の骨の髄まで染み込んでいた。

ランドセルを背負わせ、むりやり家から出そうとすると、マユミはドアにしがみついて抵抗した。ここで甘やかしちゃいけない。ビンタを一発かました。それでも、マユミは泣きながら抵抗した。