教育ジャーナリスト・おおたとしまささんの最新刊『不登校でも学べる 学校に行きたくないと言えたとき』(集英社新書)は、実例やデータをもとに、フリースクールから不登校専門塾、不登校特例校、教育支援センター、通信制高校、公立校や私立校などを徹底取材した一冊だ。令和の今の「不登校」に関する情報をまとめたものと言える。

そこから見えてくる現実の中で、「学校に行かない」ことが学べないとは言い切れない状況も明らかになる。学校に行かないこと、行きたがらないことへの対応も変化しつつあることもわかる。そこで本書より抜粋掲載、「不登校」というキーワードから「学び」「教育」についてお伝えする。第1回前編「「小学校がクソなんだ」不登校をめぐり小5の娘と壮絶バトルを経た母の「結論」」では、小学5年生のときに毎朝「お腹が痛い」と学校に行きたがらなくなった女の子と母親の実例をお送りした。
後編では令和の今の不登校の現状を、文部科学省や日本財団の調査で明らかにしていく。

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中学生の7〜8人に1人は不登校または不登校傾向

2020年度の文部科学省の調査によれば、全国の小・中学生のうちで「長期欠席者」は約29万人。文部科学省が定める「長期欠席」は、年度内に30日以上登校していないことを意味します。小・中学生の総数が約958万人なので、約3パーセントが年間30日以上学校に通っていないということになります。

そのうち、「何らかの心理的、情緒的、身体的、あるいは社会的要因・背景により、児童生徒が登校しないあるいはしたくともできない状況にある者(ただし、「病気」や「経済的理由」、「新型コロナウイルスの感染回避」による者を除く)」を、文部科学省では「不登校」に分類しています。その数、約20万人。ちなみに新型コロナウイルス感染回避のための長期欠席は約2万人でした。

日本財団が2018年に行った「不登校傾向にある子どもの実態調査」は、年間の欠席日数が30日未満でも不登校傾向にある中学生の割合を調べたものです。約6500人の中学生を対象にインターネット上で調査を行いました。年間30日以上学校を休んでいる中学生の割合は約3.1パーセント。これをもとに全国での人数を推計すると約10万人で、文部科学省による実数調査とほぼ一致します。

さらに、「1週間以上連続で、学校を休んだことがある/休んでいる」「学校の校門・保健室・校長室等には行くが、教室には行かない」「基本的には教室で過ごすが、授業に参加する時間が少ない」「基本的には教室で過ごすが、皆とは違うことをしがちであり、授業に参加する時間が少ない」「基本的には教室で過ごし、皆と同じことをしているが、心の中では学校に通いたくない・学校が辛い・嫌だと感じている」をまとめて「不登校傾向」とすると、その全国での総数は約33万人に上ると推計されます。

不登校と不登校傾向を合わせると、約43万人の中学生が登校になんらかの困難さを抱えていることになります。全中学生に占める割合は約13.3パーセント、7〜8人に一人です。