観光庁が発表した『旅行・観光消費動向調査』(2021年)最新データによると、日本人の国内旅行消費額は9兆1215億円で、2019年に比べて-58.4%だった。1回あたりの支出額に目を向けると、3万4148円/人と、2019年に比べて-8.6%。横ばいなのは日帰り旅行の支出額でコロナ禍以前と変わらず1万7328 円/人。県境をまたいだ移動の自粛が呼びかけられたため、日帰り旅行の高単価化が進むと考えられている。

キャリア10年以上、3000件以上の調査実績がある私立探偵・山村佳子さんは「家族旅行先として日帰り旅行に以上に、都心のホテルステイを選ぶ人が増えたと感じています。ここで浮気をする人も多いです」と語る。彼女は浮気調査に定評がある「リッツ横浜探偵社」の代表だ。今回山村さんに相談に来たのは、東京に暮らす上品な40歳の専業主婦。大好きな48歳の夫が「都内の家族旅行」中にとった言動に疑問を抱いたという。この連載は、調査だけでなく、調査後の依頼者のケアまで行う山村氏が見た、現代家族の肖像でもある。

山村佳子
私立探偵、夫婦カウンセラー、探偵。JADP認定 メンタル心理アドバイザー JADP認定 夫婦カウンセラー。神奈川県横浜市で生まれ育つ。フェリス女学院大学在学中から、探偵の仕事を開始。卒業後は化粧品メーカーなどに勤務。2013年に5年間の修行を経て、リッツ横浜探偵社を設立。豊富な調査とカウンセリングを持女性探偵として注目を集める。テレビやWEB連載など様々なメディアで活躍している。
リッツ横浜探偵社:https://ritztantei.com/
山村佳子さん連載「探偵が見た家族の肖像」これまでの記事はこちら
 

一目で裕福とわかる上品な女性が

今回の依頼者は専業主婦の美里さん(40歳)。外資系のコンサルティング会社に勤務する夫(48歳)との間に、10歳の娘がいます。
穏やかで優しい雰囲気をまとっており、一見して地味ですが、身に着けているジュエリーや時計、バッグはとても高価。その総額は200万円以上になりそうで、裕福な生活をしていることがわかります。

Photo by iStock

「私、主人から捨てられてしまうかもしれません」と、ポタポタと涙を流しています。気持ちが落ち着くのを待って、夫の人物像からお話を伺うことにしました。
「主人は8歳年上で、外資系の会社に勤務しています。といっても、派手ではなく穏やかで優しい人です。私にはよき主人で、娘もパパのことは大好き。なんでも買ってくれて、何でも許してくれるこの上ない人なんです」

写真を見せていただくと、身長180センチぐらいで清潔感があり、目元がとても柔和です。テニスやゴルフなどが得意でスポーツ万能。聞けば美里さんは上場企業の経営一族で、父が夫に「ウチの娘はどうだ?」と持ちかけ12年前に結婚。住んでいるのは、世田谷区内の高級マンションで、ここは美里さんの両親も別の階に住んでおり、実家が所有している物件だそう。
「主人は部屋こそ別々ではありますが、いわゆる“マスオさん”です。お友達から“逆玉に乗った”と言われることもあるようですが、全く気にしていません」

上場企業経営者である美里さんの両親が所有する高級マンションに暮らす(写真はイメージです)Photo by iStock