このまま新書は絶滅するのか…講談社現代新書が出した「一つの答え」

時間をかけずに「おもしろくて、ためになる」

ウェブ動画や映像配信サイト、SNS、ゲーム、コミック、小説……。
今の時代は、見たい・読みたい・試したいコンテンツが山のように存在している。
かくいう私だって、編集者のくせに本を読む時間があまりない。
「もっとたくさんの人に本を読んでほしい!」などと思っていながら、なんのことはない、自分もYouTubeや漫画アプリに少なくない時間をとられている。

この貴重な時間をすこしでも教養新書に向けてもらうためにはどうすればいいのか。

少々強引かもしれないが、たどりついた結論は、

1 時間をかけずに読める
2「おもしろくて、ためになる」内容
3 今の時代にこそ読む意義がある(と読者に思わせる)

の3点だった。

2はもともと、現代新書が教養新書をつくる際にかなり意識してきたことでもあるし、我々の最大のウリでもある(ちなみに、「おもしろくて、ためになる」は講談社の出版物のポリシーであり、言葉はシンプルだが、かなり奥が深い。ああ先輩は偉大なり……)。

1は、前述したとおり、ページ数を100ページ程度にバッサリ減らしてしまう。これは平均的な新書(224~256ページ)の半分以下だ。

すぐ読めて、内容がわかりやすくて、マルクスやショーペンハウアーの思想のエッセンスを理解できたら、そりゃもう知的に楽しいのではないだろうか?