結婚式には安倍元首相もビデオメッセージ
吉羽容疑者は、寝屋川市議会議員を2期務めると、2012年に旧民主党から衆院選に出馬、さらに2013年には新党大地から参議院議員に挑むも、いずれも落選している。その後、自民党の谷川とむ衆議院議員と結婚し、子供が誕生したが離婚している。
「吉羽容疑者と谷川氏の披露宴は、安倍晋三元首相がビデオメッセージを寄せ、下村博文元文科相が主賓の挨拶と錚々たる顔ぶれでした。 吉羽容疑者も、よき政治家の妻に見えたのですがね」(出席者)
2016年には大阪・阪南市長選に立候補するも、落選。2017年には小池百合子率いる希望の党から衆議院議員に出馬したが、これも落選。そして、2019年に寝屋川市の市議会議員に3度目の当選を果たした。

「谷川議員と離婚後、別の投資家という東京の男性と結婚しました。2019年の市議選のときはお腹が大きくなっていましたね。おそらく寝屋川市には戻らず、ポスターを掲示するだけの選挙でしたが、2000票以上をとり当選。人気は健在で、すごいものだと感じました。そんなやり方で勝てるのは、寝屋川市議では、吉羽さんくらいしかいなかった。来年の寝屋川市長選でも、吉羽容疑者の立候補が取り沙汰されるほどでした」(前出・元同僚市議)
吉羽容疑者の容疑が露呈したのは、犯行グループの「仲間割れ」だった。吉羽容疑者とともに逮捕された渡部秀規容疑者(48歳)は、詐欺で得た現金を複数の銀行の貸金庫に保管していた。その事情を捜査関係者はこう明かす。
「グループの仲間割れの結果、渡部容疑者が『1億5千万円を吉羽容疑者に盗まれた』と警察に届けを出した。しかし、そんな大金を、なぜ銀行口座ではなく貸金庫に入れいていたのか疑った警察が追及したところ、詐欺で得た可能性が高いことがわかった。
吉羽容疑者は当初は、渡部容疑者らに使われる立場で、あくまで市議会議員の名刺で信用させるという役回りだった。だが何度か繰り返して手口を会得すると、大手金融機関に勤務していた人物などと独自で別グループを結成し、自分が中心となって詐欺に手を染めるようになったとみられる」

吉羽容疑者らは、融資指南のセミナーを開催し、全国の福祉施設に営業をかけていた。福祉医療機構(WAM)も、《【ご注意ください】当機構の新型コロナウイルス対応支援資金をかたる不審な勧誘にご注意ください》などとホームページなどで呼びかけていた。