FBIによるトランプ強制捜査が「8月8日」だった理由と、その余波

中間選挙に影響? 強権警察国家の影

「8月8日」の政治的意味

米連邦捜査局(FBI)がトランプ前大統領所有のフロリダ州パームビーチに建つ別邸“マールアラーゴ”に家宅捜索に踏み切った日付が8月8日だったのは、偶然ではないかもしれない。なぜならその日は、48年前の1974年にウォーターゲート事件の疑惑の渦中にあったニクソン大統領(当時)が辞任を発表した日にあたる。

■「8月8日」の符合に色めきだつ米国民のSNS

出所:Gabe Sanchez/Twitter

ニクソン氏と言えば、これまで個人の所有物として認められていた大統領時代の書簡など記録を、国立公文書館に保管することを義務付ける1978年の大統領記録法成立の立役者だ。

当時、米議会はニクソン氏による証拠隠滅を恐れ、1974年にニクソン氏を対象とした大統領録音記録・資料保存法を成立させた。その後、カーター政権の1978年に大統領記録法が産声を上げ、その後の改正を経て電子メールなど電子書類なども対象とされた。

米国史上初、大統領経験者が強制家宅捜査の対象となった行動は、トランプ氏が大統領を退任する2021年1月に遡る。当時、同氏は1978年に成立した大統領記録法に違反して公文書を持ち出した。

 

国立公文書記録管理局(NARA)はトランプ氏との交渉を経て、22年1月に同局がマールアラーゴから15箱を回収。そのなかには、北朝鮮の金正恩氏との“ラブレター”もとい通信記録や、オバマ元大統領との引継書などの書簡などが含まれていたという。

当時、トランプ氏は協力的だったようだが、NARAは他にも公文書が残されていると判断。司法省は5月、トランプ氏の機密文書誤処理疑惑に関連する大陪審調査を開始し、少なくとも1件の召喚状がNARAに提出され、トランプ氏の任期末期に一緒にいた元側近数人に事情聴取の要請がなされたという。

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