2022.08.25

“バツイチ”末期がん患者70歳の自宅に突然住み着いた謎の女性…訪問医「どなたでしょうか?」 女性が明かした“衝撃の正体”

茨城県つくば市で訪問診察を続ける『ホームオン・クリニック』院長・平野国美氏は、この地で20年間、「人生の最期は自宅で迎えたい」と望む、多くの末期患者の終末医療を行ってきた。5500人以上の患者とその家族に出会い、2500人以上の最期に立ち会った医師が、人生の最期を迎える人たちを取り巻く、令和のリアルをリポートする――。

photo by gettyimages

療養中の夫を捨てる妻も……

私が開業した当時、団塊の世代は患者家族として親の介護をしていた。20年経って、今度は団塊の世代が患者として現れてきた。同じ日本人の患者さんだが、世代間で文化背景、家族背景が異なり、思考や価値観も全く異なっている。

訪問する患者さんの部屋自体も随分と変わった。先祖の肖像画、仏壇、神棚、それから昔は、よくお会いした昭和天皇と皇后の御真影も、平成、令和と変わり、部屋から消えた。

かわりに現れたのは、孫の写真や昔の家族旅行の際に撮られた集合写真などだ。写真と言えば、少し前までは氷川きよしさんのポスターをよく見かけたが、最近は演歌歌手の福田こうへいさんに変わりつつある。オーディオデッキから井上陽水さんや小田和正さんの歌が流れている事も多い。

写真だけではなく、部屋の造りも変わってきた。畳からフローリングへ、部屋の仕切りは障子からドアへと。それから仏壇や神棚が消えていき、究極はこの10年間で「同居する家族」までも消えていった。

 

私が訪問診療を行うなか、療養中の夫の妻が介護中に忽然と消えたケースも少なくはない。介護放棄をしたと責める事はできないと考えている。介護の重圧や、患者である姑や夫からの暴力、暴言に耐えられなかったのだろうと、逃げた側に同情した例の方が多かったからだ。

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