2022.08.25

末期がん患者70歳との「禁断の愛」で会社をクビになった女性の懺悔…男性の「最期」が迫るなか、彼女が下した“意外な決断”

平野 国美 プロフィール

“その時”は迫ってきていた

内縁の彼女と同居するようになってから、男性患者は夜中に寂しくて私たちに電話をかけてくることは無くなった。がんは終末期に入り、転移したリンパ節や肺の痛みもあっただろうが、穏やかな生活を送られていたと思う。

そんな頃だった。何度目かの訪問時に彼女と患者の最期に向けた話し合いをした。彼は弱り、床に臥せったままの事が多くなっていた。“その時”は迫ってきていた。

 

往診をしていた午後7時、彼女が「おそくなりました」と詫びを入れながら、スイカが入った買い物袋をぶら下げながら帰ってきた。

「“御主人”の容態は厳しくなってきましたね」

患者は寝ていて聞こえないと思い、話してみた。

「そうですね、最近はスイカの果汁を少し吸うのが、やっとで…」

「ここで、見られますか?(看取りますか?)」

「はい。そうします」

「訪問看護とか、お願いしますか?」

「私一人で、何とかします。経済的にも余裕がないし。その時期が近づいたら教えてください。仕事を休みますから」

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