災害にはサイクルがあった! 日本に集中する理由もわかる地球科学入門

地球を固体・液体・気体に分けてみる!
藤岡 換太郎 プロフィール

天災が束になってやってくる国・日本

日本列島のおかれた地理的な位置を考えてみます。日本列島は南北に2500kmも延びた弓状の島の列で、地勢的にはアジアから太平洋に張り出した防波堤のような役割をしています。

この長さは、地球の半径6400kmのじつに3分の1以上を占めています。そのため気候帯としては、亜熱帯から亜寒帯にまでわたっています。そうしたことからさまざまな植物や動物が棲息し、山や湖などの景観も変化に富んでいて、風光明媚(ふうこうめいび)な国となっています。

しかし、「美しい花には棘(とげ)がある」ともいうように、日本では有史以来、大きな災害が頻発していることは事実です。

【写真】風光明媚ながら、災害が多い日本日本は、風光明媚ながら、有史以来大きな災害が頻発している photo by gettyimages

陸地としては小さくても、排他的経済水域では世界で6番目に広い国土をもつ日本は、5つの島弧―海溝系から成り立っています。北から千島弧‒千島海溝、東北日本弧‒―日本海溝、伊豆・小笠原弧―伊豆・小笠原海溝、西南日本弧―南海トラフ、琉球弧―南西諸島海溝です。

そして、これらの島弧―海溝系に作用しているのが、4枚のプレート、太平洋プレート、北米プレート、フィリピン海プレート、そしてユーラシアプレートです。北米プレートの下に東から太平洋プレートが、ユーラシアプレートの下に南からフィリピン海プレートが沈み込んでいます。

こうしたプレートのせめぎあいが地震の頻発を招いていることは、よく知られています。

4つのプレート、4つの気団、4つの海流

一方、南北に長く延びる日本列島は、亜熱帯から亜寒帯までの広い気候帯を含んでいるため、上空の気団は北にはオホーツク海気団、シベリア気団があり、南には揚子江気団、小笠原気団があります。

また、日本列島の周辺海域には、顕著な暖流である黒潮(日本海流)と対馬海流、そして寒流として親潮(千島海流)とリマン海流があります。

面白いことに、4つのプレート、4つの気団、4つの海流が、日本列島をつくっているのです。すなわち、地球システムでいえば固体、流体、気体が相互に、あるいは複雑に作用して、エネルギーのやりとりをしているのです。

そのため、いくつかの災害が連鎖反応を起こしたり、いくつかの天変地異のサイクルが連動したり、ということが、世界のなかでも非常に高確率で起こる場所になっていると思われます。したがって、災害が「束になる」状態になりやすいのです。

【図】4つのプレート、4つの気団、4つの海流4つのプレート、4つの気団、4つの海流が日本列島をつくっている

世界でも稀な変化に富む美しい国に、世界でもとりわけ災害が多くなっているのは、このように必然なのです。

日本が災害大国であることは必然である――では、台風や地震など、日本で頻発する災害は、どのようなサイクルで起きているのだろうか。

では、引き続き、歴史的なデータをまじえながら、それを見ていくことにしよう。

まずは、台風と豪雨などの気候災害を検証。エルニーニョ・ラニーニョは日本にどんな影響を与える? 昨今頻発の線状降水帯とは? 〈大気の気まぐれ「気象災害」にサイクルは見出せるか?〉で解説しましょう。

つづき〈大気の気まぐれ「気象災害」にサイクルは見出せるか?〉は、下の関連記事からどうぞ

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藤岡 換太郎

日本は世界でも稀な「災害が束になってやってくる国」だというのです。災害が束になると、それはもう「天変地異」です。天変地異を軸に46億年をとらえなおす、かつてないスケールの地球科学!

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