美容家・神崎恵47歳。発信する美容情報に支持が集まっているだけではなく、近年では彼女の「生き方」に共感するファンが多いという。20代で二人の子供を出産、30歳でシングルマザーになり、必死に生きる日々の中で美容家を志す。美容家としての立ち位置を不動のものにした30代後半で再婚、40歳で第3子を出産。人生の要所要所で感じた困難を包み隠さず読者とシェアし、それでもなお前を向いて道なき道を歩んでいく彼女の姿は求道者さながらである。

7月に発売した新刊「神崎メソッド」は現代女性のためのビジネス本と銘打ち、女性が生きていく上でぶつかる壁やターニングポイントとの折り合いの付け方を自らの経験をもとに語っている意欲作だ。本書から「子育て」「結婚・離婚」「女の生き方」をテーマに特別抜粋での短期連載が実現。第1回目は、「離婚や子育てを通じて学んだ『自分らしい生き方』の本質」についてお届けする。

 

神崎メソッド 自分らしく揺るがない生き方」 定価:1760円(講談社刊) 電子版も発売中

子育てを通じてわかった「自分のこと」

24歳で長男、29歳で次男、40歳で三男を出産しました。

最近ふと考えるんです。三男が社会人になるころには、わたしは60代半ば、わたしの人生のほとんどは、子育てなんだな、って。「やっともうすぐ手が離れて自由になれるのに、ここからもう一度って、よく決意したね」40歳での出産を決めたときの友人からの一言です。この年月を良しとするかはひとそれぞれだと思います。もっと自分の人生生きたいよね、と思うひともいれば、人生すべてが子育てがいい、と思うひともいるでしょう。わたしは、わたしらしい生き方ができそうだな、そう思っています。

24歳で初めての子育て、正直つらいことが多かった。今までの自分では生活できないもどかしさ。遊びも仕事も充実させている周りの友人たちを見ては、自分が取り残されていくようで、焦ったり、不安になったり。それがまたイライラに変わっていく。自分の中にあるモヤモヤは、悩みや疲れ、嫌なことを倍に感じさせるんですよね、きっと。まだまだ未熟な自分が子どもを育てるのだから、キツイのは当たり前。今はそれがわかります。

 

それに、今思うのは頑張っているのは親だけではないなあって。出産のとき、お母さんと同じくらいに赤ちゃんも苦しいし頑張って生まれてくる。育児中も同じだなってわかったんです。子どもも実はいろんなことを感じたり、考えたりしていること。まだまだ小さな心で、目一杯思いをめぐらせていることを3人の息子たちから学びました。

わたしが息子たちと関わる上で大切にしていることはいくつかありますが、中でも、待つこと、任せること、は大切にしています。待つ。というのは、大人の頭の回路や速度を押し付けないこと。例えば、子どもと大人とでは、知っている言葉の数が圧倒的に違う、自分の気持ちの説明をすることもまだまだすんなりとはいかないのが当たり前。だから、お腹の中から言葉が出るまでに時間がかかることがあるなあって。話をするのも、行動も、自分の速度を押し付けず、待つことにしています。任せる。頼ることも大事。わたしがやってしまえば数秒で終わることも、お願いしたり、頼ったりしてみる。頼られたり、任されたりって、大人でも自分を認めてくれている、信じてくれているって思えて嬉しいし、頑張ろうと思えるから。

あとはなにより、自分の子どものころの感情を思い出すこと。こう言われたら嫌だったな、とか、こう言われたら嬉しかったな、とか。いいことも悪いこともそのシチュエーションに合った記憶を思い起こすことにしています。そうしてみると結構、されて嫌だったこと、したり言ったりしてしまっていることに気がつくんです。見えるものや会話ではわかりきれないこともなんとなくわかったりもして。恋愛すると自分がどんな人間かがよくわかるというけれど、子育ても、自分のことがよくわかる。今でも日々、子どもたちに自分について教えてもらったり、鍛えてもらったり、引き出してもらったりしています。正直楽ではないけれど、幸せもいっぱいある。次生まれ変わっても息子たちの母になりたい。そう願います。