原発再稼働といっても泥縄ですね
電力自由化の切り札とされた自由な容量市場のローンチまでは、あと2年もあるため、仮に新たな電源開発が進んだり、エネルギー価格が下落したとしても、即座に問題が解決するわけではありません。
もう目の前の電力が足りないよということで、いま岸田政権がようやく気付いて、電力供給をどうにかしろと原子力発電所再稼働の問題で騒ぎ始めました。遅かりしとはいえ、手を打たないわけにもいきませんので、何とかしないといけません。
今冬の電力不足は現時点ではほぼ確定していることであり、原子力発電所の再稼働をどんなに進めたところで間に合いませんので、民間も節電したり厚着をしたりして凌ぐしかないのではないかとも思います。
とりわけ、我が国の電力供給で、需給逼迫・安定電力供給に問題を引き起こしているのは、再生エネルギーの発電能力が送電インフラの仕組みを揺るがしている面は大きいため、先を見越して定置型の蓄電池などのインフラや、再生エネルギーの中では比較的大容量な洋上風力発電の拡充、再生エネルギーに適した送電系統の強化などは喫緊の課題です。
他方、原子力発電の再稼働は既存の原子炉を動かすところまでであって、実のところ、トイレなきマンション議論同様に、使用済み核燃料をどうするかや、住民避難路、テロ対策などの各問題について、これからどうにかしようと政府が言ってもなかなか無理でしょう。