「保育園留学」に全国から親子が殺到中…子どもの越境体験がもたらす「驚きの変化」
地方創生のユニークなかたち全国から予約が殺到する「保育園留学」
子どもの教育方針については、多くの親が頭を悩ませることだろう。保育園か幼稚園か、から始まり、その子に合った習い事はどう見つけるか、受験は小・中・高どこから検討するか、英語教育はいつから始めるのか、インターナショナルスクールも視野に入れたほうがいいのか。
現代はとにかく選択肢が多く、選ぶ楽しみもある反面、悩みは尽きない。
筆者は、都内で自営業をしながら、事実婚のパートナーと共に2歳の男の子を育てる40歳だ。産後2ヶ月で仕事に復帰し、子どもは地元の保育園に通っている。英語と手先の器用さだけは早いうちから始めて損はないと思い、1歳から幼児教室と英会話教室に通わせている。子どももまんざらではない様子で、英語の歌などを楽しそうに口ずさんでいる。
ただ、いわゆる「お受験」的なものはどうしてもピンと来ない。自分自身も高校まで塾も行かずに公立校で育ったというのもあるし、本人の意志が感じられるまでは、机に長時間向き合わせる気になれない。ただし、それが正解ともわからない。
とにかく親という生き物は、子どもがちょっとピアノの鍵盤を叩いただけでも「この子は天才なんじゃないか!」と思ってしまう幸せな生き物である。最初から子どもの適性がわかればメキメキ伸ばしてあげたいが、そんなことは親どころか本人もわからない。
とにかく子どもに色んな経験をさせて、色んな刺激を与える中から、「ぼく、これが好きかも」という感覚を引き出せたらいいな、と思いながら日々を過ごしている。
そんな中、北海道厚沢部町が始めた「保育園留学」という取り組みを知った。「保育園留学」とは簡単に言うと、家族で1~3週間厚沢部町に移住して、町が運営する移住促進住宅で暮らしながら、子どもは地元の町営こども園「はぜる」で思いっきり遊び、保護者はワーケーションを行うという取り組みだ。
私はこれに飛びついて、とにかく現場が見たいと思って自治体経由で相談して2022年5月に家族で見学に行ってきた。
