真夏に湧いた「医療従事者ヘイト」現象…これは“医療者の驕り”が招いた当然の帰結と言えないか

ブラマヨ吉田・倉田真由美両氏のツイート

8月中旬、「コロナ騒動に辟易する人々」vs.「医療従事者&支持者」のバトルが、主にツイッター上で勃発した。中には「炎上」と表現されるものもあったが、「辟易する人」で代表的なのが芸人・ブラックマヨネーズ吉田敬氏と漫画家・倉田真由美氏だ。

ハッシュタグでは「#医療従事者は敵」なども登場し、「医療従事者ヘイト」とも言われる状況になった。一体この現象はなんなのか。本稿ではそこを解説してみる。

発端の一つとなったのは、吉田氏の以下のツイートだ。

〈 【システム】が悪すぎる。現状、検査機関が検査をすればする程金が貰え、客も陽性になったら金が貰えるから検査に行く。→陽性は増える。これは、もう常識やねんけど、情報が偏ったお年寄りなどは、増えてる!死ぬ!怖い!と思うのだろう。ちょっとした発熱に怯え過ぎるお年寄りが可哀想なシステム 〉(8月13日)

これに対してワクチンとマスクに対して絶大なる信頼を置き、両方を推奨する作家・医師の知念実希人氏が反論。

〈 まるで、医療従事者が自分たちの金銭欲のために陽性者を増やそうとしているかのような書き方で、懸命に頑張っている方々への差別的な発言です。なぜ、ボロボロになりながらも、人を救おうと必死になっている方々が、こんな謂われない差別を受けないといけないのか理解できません。酷すぎます。〉

吉田氏はあくまでも「システム」の問題に言及しているわけで、医療従事者を非難しているわけではないと説明。さらに、自身の母と弟も医療従事者であることを説明し、知念氏については「ヒーロー気取りたくてエグい曲解をしたのだろうが、俺の家族への思いを踏みにじられ、僕は泣いてる」と書いた。

そしてもう一人、倉田氏のツイートがこれだ。

〈 自分が忙しいことを嘆き、怒る医療者のツイートを見た。仕事が忙しくてつらいなら、その仕事を辞めればいい。ボランティアじゃないんだから対価を貰っているんだろ。病気になった人を責めるくらいなら、辞めてくれ。〉(8月14日)

 

ちょうどお盆休みの時期だったため、確かに倉田氏が言うように、医療従事者を名乗るアカウントが激務を愚痴っている姿が散見された。

表現の違いはあるにせよ、それらの趣旨はだいたい次のようなものだった。

「私たちはお盆も関係なく出勤しているし、この2年半、ずっと自粛生活をしているのに、お盆でフラフラ遊んだり旅行したりした人が感染してさらに忙しくなる。いい加減にして! そんな人は感染しても自業自得。病院に来るな!」

こうしたツイートを見るにつけ、私も倉田氏と同様の感覚を抱いた。忙しさを愚痴りたくなるのは分かるが、顧客である患者に対して憎悪を向けるのは違うだろう。疑問を持つべきはまず、自分が所属する病院の体制であり、そこに問題がないのなら、大本である国の医療制度、つまり政治に対してではないか。

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