「医療従事者の驕り」への反感が燻っていた
コロナ初期の頃、どこかの医師会の会長が「医療は最も崇高な仕事」的なことを会見で述べていた。
その後、東京都医師会が2021年8月27日に発行した情報誌「都医ニュース」に登場した町田市医師会の佐々木崇氏による「不要不急の商売は次々と潰れていく」というタイトルのコラムが問題視され、その後、東京都医師会は不適切な表現があったと謝罪した。
これはもともと町田市医師会報第553号に掲載された文章で、それが抜粋されて東京都医師会の情報誌に掲載され、ネットで公開され、後に削除された。内容を要約すると以下のようなものだった。
・だが、2週間後、さっぱり感がないため、満を持して予約の電話をした。
・私は手術用手袋を装着する重装備。だが理容師はマスクのみの軽装備。
・彼女のこの対応からは新型コロナに向かう姿勢など微塵も感じられない。
・洗髪の際はマスクや補聴器を取るよう言われた。ここでも新型コロナへの配慮など感じられない。
・結論としては「素人でもできる不要不急の商売は次々と潰れていく」
最近でも、『「どこで感染したのか…」阿波踊り、有名連25人がコロナ陽性』(毎日新聞電子版・8月19日)という記事が出ると、医療従事者は批判をエスカレートさせた。阿波踊りの演者がマスクをせずマウスシールドで「密」になっていた写真のインパクトもあってか、知念氏と神戸大学・岩田健太郎教授らが対策について批判するツイートをしたのだ。

コロナ騒動開始初期の頃、「#医療従事者に感謝」のハッシュタグが盛り上がり、テレビでは彼らの奮闘ぶりを絶賛し、ブルーインパルスを飛ばして感謝と支援の気持ちを示した。この頃までは医療従事者に対する批判など皆無だった。
だが、その1年後には上記のようなコラムが掲載され、医療従事者の驕りに対する反感が燻り始めた。そこからまた1年が経ち、ついに爆発したのである。その理由について、私は以下のように考えている。
医療従事者には感謝する面もあるが、患者に文句を言ったり他の職業をバカにしたり「コロナに感染しても病院に来るな」などと言う姿勢は、あまりにも傲慢である。我々はいくら忙しかったとしても「仕事があってありがたい」と考えるため、自虐的にその忙しさをツイートすることはあっても、わざわざ他の職種の人や顧客をdisったりはしない。