「病院内の論理」を社会全体に押し付けた結果
2年7ヵ月にもおよぶコロナ対策は医師が方針を作り、それが国の政策、そして感染対策に反映されてきた。要するに「命こそ一番大事」という医者が金科玉条のごとく掲げる方針に従わされ「自由」を奪われ続けたのだ。
病院の中では当然、「命こそ一番大事」という価値観で動くべきだが、彼らはあろうことか、社会全体に「病院内の論理」を押し付けたのだ。
病院に来る人は命と健康のために来ているわけだからその価値観は正しいし、受け入れるべきである。入院中に「酒を飲むな」「決まった食事をしろ」「定期的に体温を測れ」などと命令されるのは当然である。しかし、医師たちは病院外の「一般社会」にその論理を強制してきたのである。

その際、スポークスマンとなったのが、政府分科会の尾身茂氏や、メディアに出演しまくった忽那賢志氏、二木芳人氏、「マスクはパンツ」の迷言で知られる北村義浩氏、言うことがコロコロ変わる松本哲哉氏などだ。
そして彼らに賛同するテレビ朝日社員・玉川徹氏を筆頭とするテレビ出演者が国民に医療従事者の言葉の貴重さを拡声器となって伝え、ツイッターに存在する「医クラ」(医療クラスター)は軒並みフォロワー数を激増させ、信者を次々と獲得していった。
かくして「コロナ対策真理教」ともいうべきカルトの教義が日本中を覆い、ほぼすべての商業施設では「他のお客様の安心・安全のためにマスクを着用ください」というアナウンスがされるようになり、百貨店では門番がマスクをしていない客を追い返した。
各自治体や商業施設はこぞって感染対策啓蒙ポスターを作り、ビニールカーテンやアクリル板の設置を徹底。日本中で新型コロナウイルスという未知の殺人ウイルスが蔓延しているという演出のための舞台装置はそろった。
そして「コロナ対策真理教」の信者になった人々の時候の挨拶は「ワクチン打った?」になった。マスクをしていない人間が前方からやってきたら、マスクを手で押さえ、少しでも歩道の隅に逃げるようにもなった。
こんな異常な社会を作り出したのが「医療従事者」なのだ。
彼らは医療においてはプロであり、その能力・知見には尊敬の念を抱かざるを得ない。しかし、尾身氏をはじめとした人物が医療以外にも介入してからというもの、日本社会にとって最も大切なことは「感染しない・させない」になり、感染した人は糾弾の対象になった。
田舎では、家に投石されたり、「出ていけ」と貼り紙をされたり、引っ越しや自殺に追い込まれる感染者もいたほどだった。