2022.09.02

玉木宏、綾野剛、伊坂幸太郎…作家・中村文則が33人と“対談”して考えた「自分の文学」

『掏摸〈スリ〉』や『教団X』などで知られる小説家・中村文則さんが、初の対談集『自由対談』を発表した。吉沢亮や綾野剛といった第一線で活躍する俳優から、人口知能の研究で知られる松尾豊などの研究者まで、33人との対話が納められている。対談で飛び出した数々の言葉を掘り下げながら、中村氏が考える「自分の文学」について伺った。

俳優・玉木宏の鋭い指摘

――今回、対談集を出された経緯を教えてください。

デビューして20年、今まで沢山のすごい方々と対談をしてきました。そこで生まれた言葉の数々を埋もれさせるのはもったいないと思い、初めて僕から企画提案をしたんです。読者の方々にとっては、知的興奮が生まれる本だと思います。1冊ですが、2段、3段組にして、単行本2冊分ぐらいの分量なので、空いた時間に少しずつ読んでもらえれば。

提供:河出書房新社
 

――俳優さんの言葉には、役者ならでの独特さがありますね。

例えば玉木宏さんには、僕の小説が原作の映画『悪と仮面のルール』に出演していただいたのですが「登場人物は、シーンごとに二人ずつしか出てこないんです」と言われて驚きました。確かに僕の小説では、誰かと誰かが“ふたりきり”で話すシーンが多い。つまり1対1の人間の対面の連続で、小説が構成されている。文芸評論家にも言われたことがない、玉木さんならではの視点でした。

――綾野剛さんとの対談では、中村さんが「自分の醜いところとか嫌な性格とかも含めて自分の存在そのものをノートに書いてみると、書きたいものは隠れている。僕もそういうノートうちにあります」とおっしゃっています。中村さんのノートにはどういう内容が書かれているのでしょうか。

いや、それは言えないですよ(笑)。内容がやばいから。救急車呼ばれるだけじゃなくて、通報されるレベルです。でも、どれとは言わないけど、ノートに書いた言葉は僕の小説の中に入っていますよ。だって狂気的ななにかがないと、僕みたいな小説は書けないですし。

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