9月は防災月間(9月1日は防災の日)なので、今月は防災についての情報をたくさん集められる時期ですが、皆さんはどのくらいの知識と備えがありますか? 今回、東日本大震災を仙台市で被災したことをきっかけに防災士となった私が、備えておくべき防災用品や被災したときの心構えについてお伝えします。

 

被災して気づいた「防災知識は命を守る」

当時、私は東京の大学に進学していましたが春休み中だったこともあり、実家のある宮城県仙台市に帰省していました。

その日私は、自宅でネットサーフィンをしてくつろいでいたところ、突然経験したことのない揺れに襲われ、慌てて机の下に潜り込みました。しかし、あまりの揺れに机の下から放りだされ、体にデスクトップのパソコンが落ちてきたことを今でも覚えています(腰に当たった程度でしたが、頭に落ちてきたら大ケガだったかもしれません)。

凄まじい揺れによって食器や棚の物が吹き飛ばされ、家中からミシミシと聞いたことのない音が鳴り響き、揺れがおさまった頃には家の中がグチャグチャで茫然としていました。当然、電気・ガス・水道・ネット環境は止まり、突然生活が一変したのです。

うちの母は震災前から防災ボランティアの活動をしていて、防災意識がとても高い女性でした。「湯船の水は常に残す(災害時はトイレを流す水に使用)」「カセットコンロや保存水、非常食の常備」「車のガソリンはいつも多めにキープ」など、今では当たり前のような防災意識を震災前から培っていたおかげで、我が家の自宅避難生活は大きなトラブルなく乗り越えることができたのです(防災グッズや備蓄のおかげで避難所へ行かなくても耐えることができました)。

このとき、「防災知識があると自分も家族も守ることができるんだ!」と気づき、のちに私は防災士の資格をとることになります。

写真/著者提供