低血圧だったのに!? まさか自分が高血圧!?
「健康診断で、高血圧と言われ驚愕。ずっと低血圧だと思っていたのに」(54歳)
「ジムで運動前に血圧計で測定したら、上が160、下が92。毎回それぐらいの数値で。トレーナーに血圧が高いと指摘されても、まさかと思っていた」(56歳)
「頭痛とめまいで病院を受診したら、高血圧と言われてショックだった」(53歳)
更年期世代になって、高血圧症状が出て「まさか私が!?」「ずっと低血圧だったのに」とショックを受ける女性たちは少なくない。
歳を重ねれば、誰もが迎える「更年期」。この時期には、卵巣ホルモンであるエストロゲンの分泌が不安定になることから、さまざまな不定愁訴が現れることが知られている。代表的な症状は、ホットフラッシュ(ほてりや発汗)やだるさ・疲れやすさ、イライラなど。ほかにも、めまい、動悸、手足の冷え、肩こり、記憶力の低下、落ち込みなど症状は多岐にわたる。

症状の出方は個人差が大きく、つらい症状に悩まされる人もいれば、楽に過ごすことができる人もいる。生活に支障をきたすほどの症状は「更年期障害」といって、治療の対象にもなる。
最近になって、こうした更年期特有の症状はよく知られるようになった。一方で意外と知られていないのが、閉経後に変わる体のことだ。例えば、「血圧」や「LDLコレステロール」といった健康数値の変動に注意を向ける人はまだまだ少ない。
特に「血圧」については、更年期に入って突然血圧が上がってくる人、めまいや頭痛などの症状と併せて血圧が上がる人、イライラや睡眠不足のストレスで一時的に血圧が上がる人など、血圧が不安定になる人が増えてくる。女性はもともと血圧が低めの人が多いため「気にしない」と放置してしまう人もいる。たまたまだろう…と見過ごしてしまうと、動脈硬化や心不全、脳梗塞といった重大な病気のリスクにつながるので注意が必要だ。
血圧がもともと低めだった人が、更年期に注意すべきポイントとは? 油断しがちな更年期血圧の特徴や血圧によい生活について、医療ライターの及川夕子さんが性差医学や女性医療を専門とする医師の宮尾益理子さんに伺った。