信州大学特任教授であり、法学博士・ニューヨーク州弁護士である山口真由さん。東大卒の才女として様々なメディアで活躍するが、Twitterでのつぶやきはコミカルで飾らないものが多い。そんな意外な「素顔」を率直に綴っていただく本連載。

今回は、「女友だち」というものに懐疑的で、本音を言うことができなかった山口さんが、歳を重ねて知った「女同士だからこそ」のつながりの強さについて書いていただきました。

仲の良い女友だちとの集まり

大通りに面したお店は一面ガラス張りだった。

コンクリート打ちっぱなしの床に、対照的に木目調のテーブルと椅子が並ぶ。濃紺に和柄のそろいの制服を着た店員が揃って頭を下げる。通された奥のテーブル席で、先に来ていたさやかと紀子が手を振っている。

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さやかの形のよい指先で、ビタミンカラーに彩られた爪が際立つ。商社マンの父の転勤に付き添って、思春期を東南アジアで過ごした彼女は、原色を使いこなすのが巧みだ。

隣に座っている紀子は、よく手入れされたロングの髪を無造作にバレッタで留めている。嫌味じゃない程度に上品に光る真珠。

「ごめーーーん、思ったより遠くて」という自分の声が、自然と浮き立っている。

「まゆちゃんが最後じゃないよ。華ちゃんがまだだから」と紀子が笑う。

「お待たせーーー」と飛び込んできた華のジャケットは、ウェストのラインがきれいに絞られている。

彼女たちはそれぞれに金融やコンサルのプロフェッショナルで、自分でお金を稼ぎ、そして惜しみなく使う。誰もが、人生の一時期を海外で過ごしている。とはいえ、期間や時期によってニュアンスはだいぶ異なる。私は大学院だけなので英語がうまくないし、中高時代を現地校で過ごした華は、しゃべればそこにカリフォルニアが咲く。

「あー、ごめーん、ママ、うっかりしてた」 

かかってきた電話に声を潜めて話すさやかは、片手でスマホを操作して、家でお留守番する中学生の息子たちにウーバーイーツで食事をアレンジしているようだ。