2022.09.10
# ライフ

母を捨て、兄の遺産3000万円に手を出した「最悪の兄嫁」…取り戻す方法があったのか?

ヤングケアラー(若者介護者)の存在が、クローズアップされるようなった昨今。その火付け役となったのが、『おばあちゃんは、ぼくが介護します。』の著者で、自身もヤングケアラーとしての経験を持つ、奥村シンゴさんだ。

そんな奥村さんが今回、取材したのは、「レビー小体型認知症」を発症した実母を介護してきたKさん(63歳、仮名=以下同)。

当初、兄嫁に介護を任せていたKさんだったが、兄嫁は認知症の母親にろくに食事も与えず、おまけに兄の遺産であった預金残高3000万円に手を出して雲隠れしてしまった。この非常事態に、Kさんは母親の介護をすることにしたのだが……。

母の病状は進むばかりで…

Kさんは、母親を自分の自宅へ連れて帰り、朝・昼・夜と3食しっかり栄養のある食べ物を食べさせ、よくコミュニケーションをとりました。すると、激減していた体重が1年で28キロから35キロと7キロも増加。

ところが、レビー小体型認知症が残酷にもさらに進行してしまったのか、母親はKさんのことがだんだんわからなくなってしまいました。

「あんた誰? 家政婦でしょ? ただ働きして当たり前だからね。さっさと用事してちょうだい」(母親)

母親は、暴言を吐いたり、夜間に突然、「私を殺して、あんたも一緒に死んで」と叫んだりするようになりました。

Photo by iStock
 

それでも足腰が比較的しっかりしていたのと、同居していたため要介護2。要介護度が低いため、週2~3回、デイサービスへ通所したり、福祉用具を借りたりするとあっという間に介護サービスの上限額に達してしまい、Kさんの身が休まる日はなかなかありませんでした。

財務省は、要介護1と2の「訪問介護の生活援助」と「デイサービスなど通所介護」の利用を介護保険から外し、自治体サービスに移行する方向が示されています。簡単にいえば、介護保険の利用は要介護3以上、利用者負担は2~3割になる可能性があります。

国は膨張する社会保障費を抑制する狙いですが、要介護度だけでは判断できません。

要介護度が低いからといって、けっして軽度者とは限らないと考えます。むしろ、要介護が低い時のほうが、心身とも比較的元気な状態のまま認知症が進行します。したがって、介護サービスの利用点数が少ないがあまりに、1週間の在宅介護日数が5~6日に達する介護者が大勢います。

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