今月より国民的女優・泉ピン子さんの連載がスタート。人生相談や時節を感じさせるテーマなどをピン子さん流のユーモアを交えながら、ざっくばらんに語っていただく連載です。第1回目のテーマは、自己紹介も兼ねてピン子さんのこれまで芸能生活をお話していただきました。「人生、いい日もあれば悪い日もある」とピン子さん。これからどんなお話が聞けるのか、乞うご期待! 月2回更新予定です。

撮影/田上浩一
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「自分よりバカがいるんだ。救われた」と思ってもらえたら

FRaU読者のみなさん、はじめまして。泉ピン子です。
今月から、こちらのウェブサイトで、ちょっとした人生相談風味のおしゃべりをしていくことになりました。30代とか40代の読者が多いと聞いているので、言ってみたら私は皆さんの親とかお姑さん世代になるのかな。「そんな頭の硬い老人に、今更相談したいことなんてない!」とか思われそうだけど、「亀の甲より年の功」なんていう言い回しもあるし、たまにはバアさんの話も聞いてみてよ。あんまりうまいことは言えないけど、疲れたり、落ち込んだりしてる人に、ちょっと元気をあげることぐらいはできるような気がする。

若い方たちはまず知らないと思うけど、私は、18歳で漫談家としてデビューして、全国のキャバレーを渡り歩いていたんだよね。漫談家って何かっていうと、ギターとかウクレレとかアコーディオンなんかの楽器を持って登場して、キャバレーのお客さんを前に歌ったり、世間話なんかのトークをするの。最初は一回500円しかもらえなかったのが、20代も半ばを過ぎて、売れっ子になったら1日5万円! それでやっと、いいマンションに引っ越して、まともなご飯が食べられるようになった。

そのあと、「テレビ三面記事 ウィークエンダー」っていう日本テレビ系列でやっていた夜のワイドショーのレポーターに抜擢されて、一気に顔が売れるんだけど。この「ウィークエンダー」っていうのが、全国ニュースでは伝えないようなB級ニュースを、再現フィルムを使って解説していく番組で、毎回、視聴率は30%超え。今だったら絶対ありえないような、ちょっと下世話な内容で、だからこそオバケ番組だった。最初は失敗ばっかりしてたけど、失うものが何もないから、あるとき「エイヤっ」って、牛の交尾のネタをやったら、思いのほかウケちゃってさ(笑)。そこからレギュラーになって、怖いものもプライドも何にもないから、本当に下品な、馬鹿なことばっかり言ってたわよ。

でも、そのときに思ったの。頑張って働いているお父さんが、「お前はバカだ!」とか「仕事ができない」とか、キツいこと言われて、家に帰ってテレビつけたら、「自分よりバカがいるんだ。救われた」って思ってもらえたらいいんじゃない?って。