2022.09.07
# 週刊現代 # 不動産 # タワマン

相談を受けた弁護士も絶句…駅近なのになかなか売れないタワマンの「異常な実態」

非常識すぎる管理規約の中身
山手線から数駅離れた、ややマイナーな街ではあるが、駅近に立つそのタワマンは、過剰な共用施設があるわけではないのに、なぜか管理費や修繕積立金が異様に高い。その理由を探ると、なんとも不可解で不思議な経緯があった。

どう考えても「おかしい話」

タワマンの管理費や修繕積立金が高ければ、管理会社と交渉して安くしてもらえばいい。普通はそうなる。交渉がまとまらなければ、「リプレイス」といって管理会社を変えてしまえばいい。そんなのは当たり前の話だ。

photo by gettyimages

ところが、そのタワマンの場合、事実上、それができない。なぜならそのタワマンの管理規約には、〈当管理組合の管理者は管理会社とする〉という条項が盛り込まれていた。つまり、理事長職を管理会社が担っているのである。

現行の区分所有法の下では、管理組合の管理者(ほとんどの場合「理事長」)は、ほぼオールマイティの権力者であるといっていい。管理組合の運営も、予算編成やその執行も思いのまま。つまり、違法行為でなければ、どんなことだってできるのだ。

そういった全体権力を有する理事長職を、そのタワマンでは管理会社が受け持っている。それこそ、やりたい放題。自分たちへの業務委託費の値上げや、修繕工事の受注も思いのまま。管理会社の変更なんて、議題にすら上らせないだろう。

ではなぜ、そんな非常識極まる条項が管理規約に入ったのか?

 

管理規約は、新築分譲時に売主企業が用意する。購入者はその規約に同意する、という書類に署名・捺印をしている。

多くの人は新築マンションを購入すると気持ちが舞い上がる。購入の契約書や重要事項説明書にはそれなりに目を通すだろうが、その他の書類なんてほぼノーチェックで署名・捺印してしまう。

管理規約におかしな条項が入っていたとしても気付かない。仮に気付いて説明を求めても、販売担当者に「それはご入居後に変更なさればいいのでは」なんて言われて、ごまかされてしまう。

だが、管理規約というものは、そう簡単には変えられない。区分所有法において規約の変更には「全区分所有者の4分の3」の同意が必要と定められている。そのタワマンでも、入居後にそのおかしな条項に気付いた人たちがいた。

「なぜ管理組合の理事長が管理会社なのだ?」

どう考えても、おかしな話である。

管理会社は管理組合から管理業務を委託される立場。いうなれば、業者である。つまり、業者が発注者の代理人を務めている訳である。民法上では完全に利益相反の関係にあたる。

「そんなことが法律上、許されていいのか?」

疑問に思った区分所有者のひとりが、マンション関連の法務に詳しい弁護士のところに相談に行った。

相談を受けた弁護士も「こんなことがあっていいのか」と驚いたそうだ。彼は何時間もかけて法律を精査したが、違法性は追及できないことがわかってきた。

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