2022.09.14
# ビジネス

なぜ「アメリカの投資ファンド」が「日本のマッチングアプリ会社」を買ったのか?M&Aが活発なワケ

及川 厚博 プロフィール

まだ伸びしろは大きい

さらにもう一つ、マッチングアプリ業界で重要な点として、海外ではすでにM&Aによる成功例が存在することが挙げられます。「Pairs」のジョイン先でもある米国のMatch Groupです。

同社は、世界最大級のアプリ「Tinder」を2014年に取得したのをはじめ、国内外で10社を超えるマッチングアプリ運営会社のM&Aを重ね、現在の時価総額は約170億ドル(約2兆3,300億円)に達しています。

Photo by Gettyimages
 

日本国内のマッチングアプリの市場規模は伸び続けており、「2021オンライン恋活・婚活マッチングサービスの国内市場調査」(株式会社タップル)によると、2022年には900億円超、2026年には1,600億円超となる予想。若い世代ほどアプリ利用に対する抵抗感は低く、感染症拡大の影響でリアルに出会う機会が減ったことも、普及に拍車をかけているようです。

三菱UFJリサーチ&コンサルティングの調査によると、20代のマッチングアプリ利用率は3割近くに上っています。ただ、米国などに比べるとまだ伸びしろは大きいと言われており、この点も日本のマッチングアプリ市場が海外から注目される要因となっているのでしょう。

マッチングアプリ業界のM&Aに見る「4つの型」

ベインキャピタルによる連合軍が誕生すれば、業界の勢力図は変わります。現在、「Pairs」に次ぐ会員数を擁する「タップル」は、サイバーエージェントの新規事業開発の成果として誕生したサービス。「趣味でつながる」をキャッチコピーに、現在では同社メディア事業の一角として注力している模様ですが、次はどんな手を打ってくるのでしょうか。

かつては自前主義で知られたサイバーエージェントですが、ここ数年は積極的なM&Aを進めています(参考記事:CEOのためのM&Aケーススタディ。サイバーエージェントのM&Aシフト考察とYogibo逆転買収【CxO注目のM&A Vol.1】)。マッチングアプリ業界でも、今後M&Aを活用して競争力アップを図る展開もあるかもしれません。

このように競合のM&Aは、特にプレイヤー間の競争が激しい業界では、自社の戦略に大きな影響を及ぼす可能性があります。そして、いざ競合のM&A情報が開示された時点で慌てないためには、企業がM&Aの選択に至る一般的な流れを把握し、ライバルの動きを予測しておくことが大切です。

ここからはマッチングアプリ業界の実例を通じ、M&Aへとつながる代表的な事由を見ていきます。

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