2022.09.14
# ビジネス

なぜ「アメリカの投資ファンド」が「日本のマッチングアプリ会社」を買ったのか?M&Aが活発なワケ

及川 厚博 プロフィール

・新規事業創出型:フューチャー×東カレデート

マッチングアプリ業界には、M&Aを介して誕生したサービスもあります。「東カレデート」は、かつてマッチアラームが運営していた審査制アプリ「マッチラウンジ」が前身。2017年、「港区女子」などの流行語を生み出した雑誌「東京カレンダー」と組み、「東カレ」を冠したサービスとして生まれ変わりました。

このプロセスをリードしたのは、ITコンサルティングファームのフューチャーです。同社は2012年、新規事業開発の一環として、「東京カレンダー」をM&Aで取得しました。その後、同誌の読者向けイベントが好評で、出会いの場を求める声も多いことなどから、マッチングアプリの中でも高級路線で「東京カレンダー」と相性のよい「マッチラウンジ」に着目。2017年にマッチアラームをグループに迎え、マッチングアプリ市場への参入を果たしています。

自グループの持つ顧客基盤を活かせる新規事業を始めるため、すでに同事業を展開している会社を仲間に迎える――M&Aに臨む買い手としては、非常に多い動機の一つです。

 

・業態大転換のための非上場化型:ベインキャピタル×with

「with」を運営していたイグニスのケースでは、M&Aに踏み切った大きな要因は、最近開始した別事業にありました。同社は将来の成長分野として、VRによるライブプラットフォーム運営に取り組んできましたが、VR事業には大規模な投資が必要であり、会社全体の業績にも影響を及ぼします。このため、東証マザーズに上場していた同社は、上場を続けていると経営の自由度が制限されるリスクが大きいと判断。結果的にベインキャピタルと組んでのMBO(Management Buyout:経営陣による会社買収)を選択するに至りました。

本件は、上場企業が新たなチャレンジに注力する環境を整えるため、非上場化する目的でM&Aを活用したパターン。ここにベインキャピタルのような投資ファンドが絡んでくることもよくあります。

これら、M&Aの4つの型は、マッチングアプリ業界以外でも見られます。

このように、スタートアップのM&Aストーリーは多様化しており、今後も非連続的な成長を目的としたM&Aに注目が集まることでしょう。

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