北朝鮮で見た「統一教会日本人信者」の実態と、“疑惑の船”取材から繋がった「ある衆議院議員と教団の意外な関係」

平壌に暮らす日本人たち

北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の平壌(ピョンヤン)にある「順安(スアン)国際空港」で、周囲の人と陽気に話す若い男性を見かけた。国際線に搭乗するというのに作業服姿で、癖の強い朝鮮語を話す。私は、「どうみても日本人だ!」と思った。

声をかけると、やはり日本人だった。私が次々と繰り出す質問に気さくに答えてくれ、話の内容からすぐに「統一教会(「世界基督教統一神霊協会」、現在の「世界平和統一家庭連合」)」の信者だと分かった。驚くことに、平壌で長年にわたって暮らしているというのだった。

現在、平壌で暮らしている日本人にはさまざまな人がいる。

「たかはし」の前の藤本健二氏(2017年4月16日撮影)

料理人の藤本健二氏は、1982年に初訪朝してからは日本と行き来をした。ドラマチックな経緯の末に、日本でテレビに露出し続ける生活を捨てて2016年からは平壌で暮らしている。

市内中心部にある「楽園(ナクウォン)百貨店」の別棟で、日本料理店「たかはし」とラーメン店を開店した。現在、北朝鮮は新型コロナウイルス対策で、海外からの入国者を受け入れていないため、在日朝鮮人が多く訪れていたこの店が営業できているかどうかは不明だ。

「よど号」をハイジャックした4人(2014年9月24日撮影)

また、平壌郊外では「よど号グループ」の6人が暮らす。その内、「よど号ハイジャック事件」で日本から渡った元「赤軍派」学生は今では4人。事件を起こした1970年から現在にいたるまで、彼らが「日本人村」と呼んでいる「元信(ウォンシン)外国人宿泊所」で暮らし続けている。

拙稿参照)
「よど号ハイジャック事件」実行犯による51年目の新証言【前編】 米韓情報機関が金浦空港へ誘導した…
「よど号ハイジャック事件」実行犯による51年目の新証言【後編】 日朝間に残る課題解決のために

 

声かけで出会った日本人

私の北朝鮮取材は1992年から計43回。気になるものには片っ端からカメラを向け、見かけた日本人らしき人にはいつも声をかけてきた。

そうした日本人の多くは観光客で、「未知の国・北朝鮮」を見たくて、おっかなびっくりで来ていた。中には北朝鮮女性の“おしとやかさ”に魅せられてしまい、一生懸命に働いて金を貯めて毎年訪朝しているという元自衛隊員もいた。

「平壌マラソン」の外国人参加者たち(2017年4月9日撮影)

また、2014年から外国人も参加できるようになった「平壌国際マラソン(万景台賞国際マラソン)」へ、日本人ランナーたちも参加。スタートを待つ約1000人もの外国人ランナーの中で、大声で日本人を探し出してインタビューしたこともある。

こうした北朝鮮にいる日本人への強い関心から、そこで暮らす統一教会の日本人信者との出会いが生まれた。空港で知り合ったA氏とは、平壌市内でたびたび会って興味深い話を聞いてきた。

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