60〜80代の「仕事の実態」…なぜ定年後に価値観がガラリと変わるのか

新しいキャリアの始め方

年収は300万円以下、本当に稼ぐべきは月10万円、50代で仕事の意義を見失う、60代管理職はごく少数、70歳男性の就業率は45%、80代就業者の約9割が自宅近くで働く……知られざる「定年後の仕事」の全貌——。

漠然とした不安を乗り越え、豊かで自由に生きるにはどうすればいいのか?

いま話題のベストセラー『ほんとうの定年後 「小さな仕事」が日本社会を救う』では、定年後の就業者の事例から「定年後のキャリア」の実態を明らかにしている。

一体どういうものなのだろうか?

 

新しいキャリアに向けたスタートをいかに踏み出すか

定年前のキャリアと定年後のキャリアには大きな断絶がある。多くの人は、定年に差しかかるなかで、他者との競争に勝ち残ることを目指す働き方をやめる。その代わりとして、身近な仕事を通じて人の役に立つことに徐々に積極的な価値を見出すことになる。

自身の生活を豊かなものにしたい。家族に良い思いをさせてあげたい。現役時代にこうした考えで必死に働いていた人が、第三者の誰かの役に立ちたいと言って仕事をするようになる。人に誇れるような仕事に就きたいと考え、自身のキャリアを高めるための競争に日々明け暮れていたような人が、仕事を通じて体を動かすことが楽しいと言うようになる。このような変化が、実際に起きているのである。

定年を迎えることに前後して、多くの人は組織内でどこまで昇進していくかという一世一代のゲームを降りる。そして、その後に、仕事を心から楽しめる定年後の新しいキャリアをスタートする。

それにしても、現役時代に続けてきた働き方や仕事に対する考え方を、人はなぜこれほどまでにもがらりと変えることができるのだろうか。本稿では、そのメカニズムを解明するため、定年後の就業者の事例とその実際の声を紹介していきたい。

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