死刑に立ち会った刑務官が明かす…「突然ガラスを素手でぶち破った」死刑囚の壮絶すぎる最期

2008年6月8日、東京 秋葉原で7人が殺害された無差別殺傷事件で、死刑が確定していた加藤智大死刑囚に7月26日午前、刑が執行された。死刑の執行は去年12月以来で、岸田内閣では2回目となった。

日本では死刑判決はどう行われ、死刑囚はどんな生活をして、死刑はどう執行されるのか。前編に引き続き、漫画家・一之瀬はちさんが実際に死刑に立ち会った刑務官に取材した『刑務官が明かす死刑の秘密』を取り上げる。

「刑務官が明かす死刑の秘密」(一之瀬はち)
 

朝の大パニック

東京拘置所に死刑判決を受けたYという死刑囚がいた。土曜日は死刑執行もなく、週2回の風呂の日で死刑囚たちもゆったりと過ごしていたという。

ところがYはその日の朝、突然ガラスを素手でぶち破り、その破片で頸動脈を切り自殺してしまった。

「刑務官が明かす死刑の秘密」より

刑法第11条には「死刑は刑事施設内において絞首にて実行する」ことが定められている。死刑囚を自殺させてしまうことは刑務官にとって致命的なミスとなる。よって、こうした事件を教訓に様々な自殺防止策が取られている。

「刑務官が明かす死刑の秘密」より

たとえば死刑囚の暮らす部屋にはカメラが設置されている。死刑囚は通常の受刑者に比べて自殺する可能性が何倍も高いと言われているため、監視カメラを設置し、監視棟で24時間監視し続けている。

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