2022年6月に『男女共同参画白書』(内閣府)が発表された。これは現代社会の男女格差の現実と本音がわかるデータだ。今回、注目したのは白書の10~11ページにある「30代で結婚意思のない男性は26.5%。女性は25.4%」という調査結果だ。4人に1人が「結婚したくない」と思う理由として「結婚に縛られたくない、自由でいたいから」、「結婚するほど好きな人に巡り合っていないから」と答えた人が男女ともに半数以上になった。
キャリア10年以上、3000件以上の調査実績がある私立探偵・山村佳子さんは「結婚は共同で家庭を運営する事業のようなもの。だから、どうしても使えるお金と時間が少なくなる。一方的に相手の金と時間の自由を奪っている夫婦には浮気が多い。不満が重なり他の異性に目を向けるからでしょうね」と語る。彼女は浮気調査に定評がある「リッツ横浜探偵社」の代表だ。今回山村さんのところに相談に来たのは、結婚10年になる夫の浮気を疑っているという42歳の女性。家庭を見返らない夫のお小遣いを1万円減らしたばかりだというが、どうやら結婚が不幸だと感じているらしい……。この連載は、調査だけでなく、調査後の依頼者のケアまで行う山村氏が見た、現代家族の肖像でもある。
私立探偵、夫婦カウンセラー、探偵。JADP認定 メンタル心理アドバイザー JADP認定 夫婦カウンセラー。神奈川県横浜市で生まれ育つ。フェリス女学院大学在学中から、探偵の仕事を開始。卒業後は化粧品メーカーなどに勤務。2013年に5年間の修行を経て、リッツ横浜探偵社を設立。豊富な調査とカウンセリングを行う探偵として注目を集める。テレビやWEB連載など様々なメディアで活躍している。
リッツ横浜探偵社:https://ritztantei.com/
古い下着を捨てたり、新しい靴下が…
今回の相談者は、パートタイムで商業施設に勤務している美雨さん(42歳)です。結婚10年になる夫(44歳)との間に、3歳の娘がいます。
美雨さんは「最近、夫の様子がおかしいんです。新しい靴下をはいていたり、古いパンツを捨てたり……下着に気を付けるのは浮気しているって言うじゃないですか」と連絡があり、本格的に調査をするかどうか、カウンセリングルームで話すことにしたのです。
美雨さんはダンガリーシャツにチノパン、トートバッグというシンプルな装いでした。いずれもファストファッションのもので、よく使いこまれている。シャツは袖の部分が摩擦で擦り切れていました。髪も一本縛りで化粧っ気がありません。
「結婚してから、なかなか子供ができなかったんです。義母から“孫はまだか”と催促されるので、期待に応えなくてはと思って、不妊治療をして娘を授かりました。私も仕事を続けたかったのに、治療やら不安定な妊娠期間やらで、会社を辞めざるを得なかった。けっこういい会社でそこそこの給料をもらっていたのに、あのバカ夫のせいで人生を棒に振らざるを得なかった」
