2022.09.13

口先介入という黒田日銀総裁の「虚砲」では円安は止まらない…求められる企業の“体質改善”

円相場で揺り戻しがあった理由

先週末(9月9日)、24年ぶりの安値圏で1ドル=145円を伺っていた円相場が反転、海外市場で一時1ドル=141円台半ばまで円高に戻す場面があった。

この原因は、日銀の黒田総裁の口先介入だ。岸田総理との会談後、「急激な為替変動は企業経営を不安定にし、好ましくない」と強調したのである。これにより前々日の鈴木財務大臣の口先介入をあざ笑うかのように24年ぶりの安値更新を伺っていた円相場に揺り戻しがあったのである。

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しかし、円安の主因は、主要国の中央銀行の中で日銀だけがマイナス金利政策を続けており、日米間の金利格差が一段と拡大するとみられていることにある。9日の口先介入でも、黒田総裁は金融政策の変更そのものは口にしていない。

その一方で、“伝家の宝刀”とでも言うべき、日米協調の「円買い・ドル売り」を実施するためのハードルはあまりにも高い。遠からず、再び円が下げ足を速めることは避けられない見通しだ。

まずは、円相場の動きをおさらいしておこう。

一昨年12月から続く円安の流れが小休止したのは、今年7月半ばから8月1日にかけてのことだった。1ドル=140円近くまで下げた円相場が1ドル=130円近くまで円高方向に戻したのである。この背景は、米連邦準備理事会(FRB)が急速な利上げを繰り返したことに伴い、急速に景気後退懸念が台頭したことだった。FRBが利上げペースを緩めるのではないかとの期待が高まる場面があったのだ。

 

ところが、その後も、米国の高インフレには変化がなかった。加えて、FRBが、「例え、景気後退という副作用があってもインフレ退治を最優先する考えに変化はない」という強硬姿勢を鮮明にしたため、再び、日米の金利格差が拡大しかねないとの見方が強まった。これが、先週末にかけての急ピッチな円安の原動力である。

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